１話 ページ1
ああ、今日も行けなかった……
明るい光を浴びながら揺れるカーテンを見ながら、重いため息をつく。
学校に行けなくなってから、一ヶ月。
両親も、理由を話さない私に愛想が尽きたのか、何も言わなくなった。
そんな状況で相談などできるはずもなく、こうして毎日部屋にこもってただただ時が過ぎるのを待っている。
trrrrrrrrr……
A「っ!？」
突然響いた着信音に思わず全身が緊張する。
(あれ？家電の音と違う。……誰かのスマホかな？)
ガチャッ
とりあえず、鳴り続ける携帯の着信音を頼りに廊下に出た。
今、この家にいるのは私だけだ。ということは、父親か母親がスマホを家に忘れていったのだろう。
trrrrrrrrr……
音を頼りに進んでいくと、ある部屋のドアの前にたどり着いた。迷わずに開ける。
ガチャッ
(ん、この部屋って……)
……父の部屋の机の上で、鳴り続けるスマホの画面が光っていた。
「なんだ、お父さんのか……」
画面をスワイプして電話に出る。
A「……もしもし？」
父『あっ、Aか？』
A「そうだけど。スマホ置いてったでしょ」
父『ああ、よかった、家にあって！そのままそこに置いておいてくれ、ありがとう』
A「ううん、わかった。じゃあね」
電話を切って、スマホを机の上に置いた時、
A「あっ、」
何かが指に当たり床へ落ちた。
窓から差し込む光に照らされ、虹色に輝くカードのようなものは、何故かとてもきれいだった。
我に返って、それを拾い上げる。
書いてあったのは……
A「……『虹色ホットライン』？」
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作者名：もちのきもち。 | 作成日時：2019年12月15日 16時
