新･信長公記

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黒田くんの作戦の最終的目標は、最終的に徳川くんに旗印をあげさせそれに勝つこと。そのためにポイントを持つ豊臣くんを誰かが旗印をかかげて倒し、その誰かをまた別の誰かが旗印をかかげて倒す。特進クラスでそれを続けていけば、いずれ徳川くんのポイントを上回ることができるという算段だ。

「ポイント倍々作戦。」
「ださっ。」
「ダサいけど良いんじゃない？馬鹿たちにも分かりやすいし。」

こうしてポイント倍々作戦通称PBB作戦が開始されることになった。豊臣くんと真田くんの一戦目から始まり着実にポイントが積み重なっていく。このまま順調に進んでいくように思われた。

「大変だ！今、血だらけで保健室に運ばれた！」

そう教室へ駆け込んできたのは前田。第一発見者は井伊の対戦相手となるはずだった龍造寺隆信だ。動揺を隠せない特進クラス。織田は話を聞くべく保健室へと向かった。酒井、榊原、本多、龍造寺、みやび、織田以外は中継で様子を見守っていた。

「Aちゃんどこ行ってたん？」
「御手洗。井伊くん大丈夫そう？」

豊臣の隣に座るAも中継に目を向ける。井伊くんによると部屋で待ってたら突然襲われ敵の気配も感じなかったという。旗印戦は無効になったが、それぞれに不信感が付き纏う結果に。真っ先に疑われた龍造寺くんはドタバタした足音が特徴的なため気配は消せないだろうと判断された。

「一体誰がやったんだよ！」
「あいつに決まってんだろ。」
「家康か。」

本多くんがPBB作戦に危機感を感じていると言ったが、それは直後に保健室に入ってきた徳川くん本人によって否定された。お見舞いのモップも添えて。後から来た明智くんは、徳川くんがPBB作戦を読んでいたと告げた。

「そうだ、見舞いがもうひとつあった。井伊を襲ったやつは俺じゃない。」
「じゃあ、一体誰が……。」
「裏切り者の仕業だ、俺の息のかかったなあ。そしてそいつはお前らの中に紛れている。」

そう言って徳川くんは保健室にいる皆、そして中継先の私たちの事を指さした。裏切り者……。

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