新･信長公記

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「で、協力して欲しいと。」
「平和を取り戻したいんです。それにはAちゃんの協力が必要なんです。」

放課後明智くんが私の元を訪れ明日の旗印戦に反家康同盟として協力して欲しいと頭を下げてきた。

「良いけど、売られた喧嘩のためとはいえ色んな人に協力を得てるんだから皆の上に立って率いているという立場にあることは自覚してね。」

———どう転んだとしても逃げ出さないで。
その言葉は明智の心を締め付けた。逃げ出すつもりはないが、本当にこれで良いのか自分のしたいことはなんなのか未だに分からずにいるからだ。

「んーと、要はさ、同盟を作れるくらいの人を団結させる力を持ってるわけだしもっと自信持って良いんだよってこと。」
「姉御肌なんだね。」

一瞬驚いた顔を見せた明智くんはそう言って笑った。あのノートに姉御肌という文字が追加されるのかと思うと恥ずかしい。

「そんな優しいものじゃないよ。もしかしたら裏切るなっていう圧かもしれないじゃん？」
「Aちゃんはそういう人じゃないって知ってる。」
「そっか。」

なんだか照れくさくて素っ気なく返事をする。

「これ以上引き留めたら、秀吉くんに怒られちゃうね。協力してくれてありがとう。」
「なんで私と豊臣くんセット扱いなの……。」

次の日にはクラスの大半が明智くんに軍配が上がるのではないかと噂していた。まともに戦わず24時間逃げ続ける、みやびちゃんもこの作戦に賛成らしい。

「この旗印戦は壮大な隠れんぼだ。」
「もういいかい？」
「「まーだだよ。」」

こうして明智くんの戦が幕を開けた。

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