104*願い事。 ページ6
『お父さん、入ります。』
ゆっくりとその部屋に入れば、目も合わせてくれない父に寂しさを感じた。
室内には骨喰君、食事の配膳に来ていたみっちゃん、少し怖い三日月さんと今剣君の姿がある。
私を見てか三日月さんは口許を隠して笑う。
それが居心地悪くて正座した膝を見つめた。
｢何か用か？
無いなら出ていけ。｣
キツい言葉に胸が抉られるような痛みを感じた。
痛い。
今更父親の顔をされても対応に困るけど、やっぱり寂しいな。
『用、と言うかお願いがあり…ます。』
怖い。
ここはお父さんが築き上げた大切な場所。
それを…
｢なんだ？｣
グッと拳を握る。
視界には口角を上げて笑う人が入る。
『ここの本丸を継がせてください。』
それまで黙っていた面々が驚きや歓喜の声をあげる。
見つめたお父さんは無表情でただ私の目を見ていた。
怖い。
怖い。
｢継ぐなど生半可な気持ちで言うな。
お前の瞳には私利私欲しかない。
..一期一振に唆された、か。｣
『なっ…一期はそんな人じゃない…
私をここまで育てたのは父親でも親族でもない一期。
恩返しも何もできないまま…離れたくない。』
お父さんが言う通り私は中途半端な気持ち、
審神者としての覚悟もまるでない。
それでも一期と離れたくないと言うのは傲慢なのだろうか。
｢審神者になると言うことは己の命を捧げることだ...覚悟がないものが戯けた事を語るな。
出ていけ。｣
今思い出しても寂しいんだ。
これが父親との最期の会話だから。
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ゆり(プロフ) - 読んで涙が溢れた小説は初めてです…一期、夢主ちゃん…永遠にお幸せに(号泣) (2019年1月19日 2時) (
レス) id: 95c2b4a6d3 (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - あぅ(´；ω；`) (2017年9月13日 20時) (レス) id: df7ea9579c (このIDを非表示/違反報告)
みんみ - うわぁ…ほんとおもしろかったです！最後は切なくなるような感じで…。素敵な作品をありがとうございました！ (2017年5月14日 20時) (レス) id: 0e00e03de5 (このIDを非表示/違反報告)
氷菓 - 完結お疲れ様でした。大包平も手に入れてうらやましいです。 (2017年1月1日 11時) (レス) id: 715ff3149b (このIDを非表示/違反報告)
五十鈴 - 完結お疲れ様です！結構読むの楽しみにしてた小説なので完結となると少し寂しい気がしますね(笑)あと完結してから言うのもなんですが126話で小狐丸の名前が子狐丸になってますよ〜(´∀`* (2016年12月31日 13時) (レス) id: ac7f4ba26a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：モカ
| 作成日時：2016年8月23日 23時
