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「最後に血判を捺して頂きます。
こちらのナイフで指先から血を。」
『え?血…?』
ナイフを見つめること数秒…
自分の指を切るの…?
ドキドキとしながらナイフを手に、いざ指に当てるも引くことができない…。
隣の一期を見上げれば私以上に白い顔。
顔面蒼白とはこういうことを言うんだね。
この顔を見てしまうとお願いなんて出来ない。
ナイフを握る手に力を入れ、薄く目を開けながらスッと指の先を切り、紙に血を押した。
「ありがとうございました。
これにて審神者就任の手続きは完了致しました。」
二三話をしたあと、こんのすけは煙と共に消えてしまった。
「姫様っ! 」
何事かと振り返る間も無く一期に抱えられて、本丸の廊下を颯爽と運ばれていく。
その素早すぎる行動に付いていけず、されるがままのお姫様抱っこは道中数人の刀剣男士に驚かれた。
たどり着いたのは医務室らしく、どうやら手当てをしてくれるらしく...
「あぁ、姫様の愛らしい指先が..
消毒と絆創膏にて処置させて頂きますね。」
『大袈裟だよ?』
「貴女様から血が出る所など私は見たくありません。
今回は仕方のないことですが、ご自分を大切にしてくだされ。
審神者になってしまった以上、私が常に側に居ることは出来ません。」
指に巻かれたのはずいぶんと可愛らしい絆創膏。
きっと弟たちの手当で使っていたのだろう。
『ありがとう…
私のことよりも一期だって斬ったり斬られたりするんでしょ…
死なないで…?』
.
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ゆり(プロフ) - 読んで涙が溢れた小説は初めてです…一期、夢主ちゃん…永遠にお幸せに(号泣) (2019年1月19日 2時) (レス) id: 95c2b4a6d3 (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - あぅ(´;ω;`) (2017年9月13日 20時) (レス) id: df7ea9579c (このIDを非表示/違反報告)
みんみ - うわぁ…ほんとおもしろかったです!最後は切なくなるような感じで…。素敵な作品をありがとうございました! (2017年5月14日 20時) (レス) id: 0e00e03de5 (このIDを非表示/違反報告)
氷菓 - 完結お疲れ様でした。大包平も手に入れてうらやましいです。 (2017年1月1日 11時) (レス) id: 715ff3149b (このIDを非表示/違反報告)
五十鈴 - 完結お疲れ様です!結構読むの楽しみにしてた小説なので完結となると少し寂しい気がしますね(笑)あと完結してから言うのもなんですが126話で小狐丸の名前が子狐丸になってますよ〜(´∀`* (2016年12月31日 13時) (レス) id: ac7f4ba26a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:モカ | 作成日時:2016年8月23日 23時