検索窓
今日:6 hit、昨日:5 hit、合計:255,514 hit

109*最後の花火 ページ11

見上げた空にはこれでもかときらびやかな花火が咲き誇る。


隣には保護者代わりであり、恋仲になった刀剣の一期一振。

この恋は…


今は考えるのをよそう。


手には先程神社の境内に出店していた屋台で一期に掬って貰った金魚が泳いでいる。

家に熱帯魚の水槽はあるが、金魚用のものを用意しないと。



人の行き来がある。
その中に恋人も居て、あの人達は人間同士だろう。



やっぱり私は考えなしに決断しすぎなのだろう。

振り返れば考える余地等いくらでもある。



空いた手で隣にいる一期の服の裾を掴む。

それでもハッキリと言えるのは私は一期と居たい。


服を掴んでいた手は大きな手に包まれる。
顔をあげれば嬉しそうな一期と目が合う。


「綺麗ですな。」


『うん。』


この手は…離せない。



花火大会が終わり家までの道をゆっくりと歩く。
家に戻ればまた過去へと行く。


「また来年も、一緒に見たいですな。」


『…うん。
今日は一緒に来てくれてありがとう。』



一期に今夜くらいはマンションで過ごしても良いのでは?と聞かれたが何故か足は過去へと向かう。



向かった先の本丸が暗く、
慌ただしい理由はすぐに分かった。



『…お父さんが?
待って、嘘でしょ?


…なんで殺されなければならないの…?』




手から滑り落ちた袋からは水が飛び散り、赤い尾びれが苦しそうに動いていた。




.

110*重罪→←108*淀み



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (393 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1023人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ゆり(プロフ) - 読んで涙が溢れた小説は初めてです…一期、夢主ちゃん…永遠にお幸せに(号泣) (2019年1月19日 2時) (レス) id: 95c2b4a6d3 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - あぅ(´;ω;`) (2017年9月13日 20時) (レス) id: df7ea9579c (このIDを非表示/違反報告)
みんみ - うわぁ…ほんとおもしろかったです!最後は切なくなるような感じで…。素敵な作品をありがとうございました! (2017年5月14日 20時) (レス) id: 0e00e03de5 (このIDを非表示/違反報告)
氷菓 - 完結お疲れ様でした。大包平も手に入れてうらやましいです。 (2017年1月1日 11時) (レス) id: 715ff3149b (このIDを非表示/違反報告)
五十鈴 - 完結お疲れ様です!結構読むの楽しみにしてた小説なので完結となると少し寂しい気がしますね(笑)あと完結してから言うのもなんですが126話で小狐丸の名前が子狐丸になってますよ〜(´∀`* (2016年12月31日 13時) (レス) id: ac7f4ba26a (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:モカ | 作成日時:2016年8月23日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。