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大ちゃんを呼ぼうとしたら、繋いだままの手を下に引っ張られ伊野尾先輩と一緒にしゃがみこむことになった。
「ダメだよ。邪魔しちゃ」
そうか…うん、そうだな。大ちゃん頑張ってるんだし、邪魔したらダメだ。それにしても、さっきたこ焼きがくっついた所、ヒリヒリすんなー。軽いやけどみたいになってんのかな。伊野尾先輩と手をつないでない方の人さし指でそこをちょんちょんと触ってみたけど……わかるわけないか。
「そこ、熱かったね。ごめんね?」
「あ、いや、大丈夫です」
やべ。触ってたの気づかれちった。熱いたこ焼きが悪いんだ、先輩は悪くない。
「ちょっと見せて」そう言われた俺は、ヒリヒリする所を見せるように先輩に向き合う。すると、先輩の手が俺の頬に添えられ、先輩の顔が近づいてきた。ぅえええええぇぇ、なに?!
「っ、んなっ」
変な声が出てしまった。だって!先輩がっ!口の端を!ヒリヒリしてるところを!ペロってなめたから!そりゃ変な声も出るさ!
先輩を見ると、肩を震わせて笑ってるし。笑いがおさまったと思ったら、次の爆弾を落とされた。それも、連続で。
「ねぇ、山田ぁ。キスしたことある?」
「してみる?」
伊野尾先輩って、こんなひとだったんだ?一目惚れだったから、先輩のこの言動は予想外。幻滅するとか恋心が冷めるとかはなくて、ただただ驚きしかない。
「ねぇ?」
「あの………伊野尾先輩?」
「ダメ?」
はっ?マジで言ってますか。
「だ、だめってことは……」
「じゃあ、……ね?」
目を閉じた伊野尾先輩が再び近づいてきた。俺は……動けなかった。
チュッ。
先輩、いったいどういうつもりなんですか。
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ゆー(プロフ) - こむぎさん» 続きも楽しんでもらえるよう、頑張りますね。コメント嬉しかったです。ありがとうございました。 (2019年4月20日 3時) (レス) id: 51cc9e921a (このIDを非表示/違反報告)
こむぎ(プロフ) - 続き、楽しみにお待ちしております! (2019年4月19日 17時) (レス) id: 6f30dadff4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆー | 作成日時:2019年2月25日 17時