高木先輩♀とありおかくん (ページ38)

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「けーいー」

戸が開く音とともに聞こえたのは、高木先輩の声。バッて振り向いたら、「反応はやっ」って山田のつぶやきが聞こえたけど、どうでもいい。高木先輩に会いたかったんだから。

「あ、りおかく…」

「せんぱ、えっ?!」

なんか、走って行っちゃったんだけど。

「有岡くん、追いかけて！」

伊野尾先輩の声に、教室を飛び出して高木先輩を追いかけた。俺、自分では運動神経悪いとは思ってないけど…。

「せん、っぱ…ﾊｧ、ﾊｧ……足、ンッは……はや、っすね、ﾊｧ」

高木先輩、めちゃ足速い。つまずいて転んだ俺のところに戻ってきて、手を出して起こしてくれようとする先輩はやっぱり優しい。立ち上がっても掴んだ先輩の手は離さなかった。もう逃げられたくない。

「伊野尾先輩が待ってる。戻りましょう？」

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「山田との勉強会に高木も入れてあげる」

「私、お邪魔虫じゃん」

「なんで私の家なのよ」

「私んちにしたら、あんたこないでしょ」

「明日、2時に山田と行くから。ちゃんと家にいてよ？」

「ん、もうっ。わかったわよっ」

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