ゲットだぜ! ページ25
1学期最後の日。終業式。明日から夏休みだー!って浮かれてる場合じゃない。休みに入る前にやらなきゃいけない事があるんだ。
で。やってきました、2年生のクラスが並ぶ廊下。ドキドキしながら先輩のクラスに向かってる。高木先輩に呼ばれたから。すれ違う先輩たちの視線が痛い。
そーっと覗くと、い…。
「いた」
俺が思うより先に山田がつぶやいた。いるに決まってるんだけどさ。机に座って話している高木先輩と、イスに座ってる山田の想い人。なかなか声がかけられなくて、「早くしろよ」「お前がいけよ」って小声で小突き合ってたら、小声じゃなかったみたいで気づかれた。というか、気づいてもらえた。
「あ、ありおかくーん」
おいでおいでと手招きしてくれたから、先輩2人しかいない教室に足を踏み入れた。俺らの教室となんの変わりもないのに。掲示物が違うだけで、窓から見える景色が違うだけで、こんなにも居心地が悪い。先輩が目の前にいるせいもあるけど。
「あ、あのっ。花火大会、何時にしますか」
「どうしよっか?けい?」
高木先輩に呼ばれた理由は、清水の舞台から飛び降りる気で誘った花火大会のことを相談するため。高木先輩が伊野尾先輩を見たから、俺も隣を見たら。・・・。なんなんだ、この2人は。伊野尾先輩が山田を見つめてニッコリ笑ってて。山田は伊野尾先輩の笑顔にやられて、真っ赤な顔して照れてる。せっかくのイケメンが見てはいけない、見せられない顔してる。あぁ、残念。残念な顔を伊野尾先輩に見られてるぞ、山田。
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作者名:ゆー | 作成日時:2018年12月21日 21時