高木先輩♀とありおかくん (ページ22)

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ダメもとだ！ページ22

「「あぁ"ー」」

山田と俺の声が重なった。お互い目だけを相手に向ける。

「大ちゃん、なに」
「山田、なに」

また同じタイミング。仲良しか。あごをクイッと動かして山田に先に答えるよう促す。

「あの先輩の名前が知りたい。大ちゃん聞いてきてくれないから」

仕方ねーだろ。俺は高木先輩が好きってだけで、仲良くはないんだから。続けて「大ちゃんは？」って。文句言いながらも聞いてくれるんだ。

「もうすぐ夏休みじゃん。先輩に会えなくなる…」

そうなんだよ！もうすぐ夏休みなの。夏休みは嬉しいけど、高木先輩に会えなくなる。毎日じゃないけど、たまに見かけたり、名前を呼んでくれたから。楽しみだったのに。それが40日もないなんて。耐えられっかな。

俺のことは顔見知り程度には認識してくれてるから、俺から一歩踏み込まないとこのまま何も変わらないよな。

「山田。俺ちょっと行ってくるわ。うまくいったら、オムライス大盛りな」

ダメもとで誘ってみよう。夏休みに入ってからすぐの花火大会に。断られても、山田が気になってる先輩の名前だけでも教えてもらおう。

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