やっぱり、そうなんだ ページ16
「じゃ、有 岡。いつものようにみんなの…今日はワークな。集めて持ってきて」
くっ…。またやってしまった。窓の外を見てたら先生にバレた。だって！また先輩が外歩いてたんだもん！つか、俺薮っち先生の雑用係じゃねーかんな。
「大ちゃん、なに見てたの？」
「え…」
先輩がいたなんて言えない。山田は先輩のことよく思ってないし。
「もしかして、たか…」
「ほ、ほら。早くワーク出せよ。……みんなも！ワーク出してー」
高木先輩のことをよく思ってない山田と高木先輩の話はしたくないから、大きな声を出して教卓に向かった。山田から逃げるように。
.
「よっと」
あぶねっ。ワークが崩れるところだった。ワークって、ノートより重いんだよな。厚さもあるし、大きいし。これを先輩ひとりに持たせるとか、鬼だな。薮っち先生。
……高木先輩。あのとき聞いた先輩の声を思い出してしまい、「ダメダメ」つぶやいて頭を振った。
「あーりおーかくんっ」
「せ、んぱ、い……」
俺を呼んで隣に並んだのは、さっきまで考えてた先輩だった。
「薮のとこ行くのー？」「薮に目ぇつけられちゃったかぁ」話しかけられて嬉しいのに、あの時の…放課後を思い出して、うまく返事ができない。
「先輩は…どこ、行くんですか？」
「私も薮のとこ」
!!
ーー……先生とも関係あるって
山田の声と
ーー…カチリと鍵がかかった社会科準備室
後ろ手に戸を閉める薮っち先生の姿が
リンクした。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 96人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆー | 作成日時：2018年12月21日 21時
