スノードロップ【菅原孝支】 (ページ10)

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「もう少し埜亜と雑談してくれませんかー！」

埜亜ちゃんが頬を膨らませ、行かないでくださいと駄々を捏ねた。

確かに埜亜ちゃんとの関わりは生徒会のみ。

学年も違う為、休み時間や昼休みに顔を合わせる事も少ない。

「お前もしかして学校に友達いないの？」

「今日の会長は意地悪ばかりですね！
それに、情報屋の天宮埜亜に情報だけ貰っておいて、
お返しになーんにもなしですか？本ッ当ケチ」

「 ...はぁ？」

菅原は酷く呆れた顔をした。

眉間に皺を寄せてまだ何か言いたげに口を開けたり閉じたりしているが、埜亜ちゃんの冷ややかな目に負けたのか、

自身の細い腰へ手を当て、大きな溜め息を吐いた。

「あ～～クッソ！はいはいわーったよ！

部活終わりな！それまで寂しくぼっちで待ってろ」

「やればできるじゃないですか～良い話期待してますよ♪ 」

「くだらない事聞きやがったらすぐかえっかんな！バーカ！」

そう言うと菅原は自身の鞄を肩に下げ、バタバタと部室を出て行った。

「 ...菅原の事あそこまで振り回せるの、女子の中では埜亜ちゃんしかいないんじゃないかな... 」

あんなに暴言を吐く菅原を、ファンの女子が見たらどう思うんだろう。

私は苦笑いをしながら埜亜ちゃんを見た。

埜亜ちゃんと話している菅原の方が、男子高校生らしくて生き生きしてる気がした。