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休み時間、私は大地と問題集を確認していた。
菅原はといえば、廊下で他の学年の女子に呼び出され、
お菓子やらラブレターやらを手に抱えていた。
「 範囲は251から257ページ。
短いから大地ならすぐできるよ 」
「 あー、そうか...?
俺あんまここ好きじゃないんだよなぁ 」
でも暗記じゃなくて助かった、と呟く。
問題集と睨めっこをしている大地を横目に、
私は携帯でLIMEのトークをチェックしていた。
通知は5件だった。
お母さんと、部活のグループ、それから....
「 ......菅原?」
菅原からは、
『 さっき大地がイライラしていたのは、
俺とAちゃんがLIMEでトークしてるからだよ 』
『 絶対嫉妬だべ 』
ときていた。
「 スガがどうした 」
大地は少し嫌そうな声で私に尋ねた。
「 あ、ううん....菅原が....消しゴム...を、落としたみたいで?」
「 そうか 」
「 何それ、消しゴムで驚き過ぎだろ 」
たくさんの荷物を抱えた菅原は、
へらっと笑いながら自分の席に戻ってきた。
大地も嫉妬するのか....なんて。
なんだか胸の奥が少し暖かく、くすぐったかった。
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作者名:USHiO | 作成日時:2022年4月24日 21時