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「 うぅ、寒いね 」
私はマフラーに精一杯顔を埋めた。
最近、寒くなってきたからマフラーが欠かせない。
季節はすっかりもう冬で、街はカップルで賑わい
もうすぐクリスマスだ。
「 今年も行くだろ?イルミネーション 」
私は学校へ向かう道を、付き合って2年目になる
澤村大地と一緒に歩いている途中だった。
「 そうだね、楽しみにしてる 」
私がそう言うと、大地は鼻頭を赤くしニッと笑った。
さり気なくデートに誘ってくれるところが
男らしくて好き。
風が冷たい中、繋いだ手から大地の温もりを感じる。
「 ...俺も行こっかなぁ 」
「 ?! 」
「 スガ....!いつからそこに...?! 」
「 よっすぅ〜 」
後ろからは同じクラスの菅原孝支が話し掛けて来た。
ねみぃなと呟き、ポケットに手を突っ込んでいる。
「 朝から幸せそうなカップルだな 」
「 悪ぃかよ 」
「 いや、微笑ましいね 」
そう言った菅原は眉を下げにっこりと笑った。
「 ...うん、本ッ当微笑ましい 」
妬ましく小さくそう呟いたのを、私も大地も
聞こえはしなかった。
さっきまでの顔とは裏腹に、
菅原の瞳からは光が消えていた。
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作者名:USHiO | 作成日時:2022年4月24日 21時