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「優斗のせいでまた学校遅れちゃうんだけど!?」

優「えぇー!俺のせい?!」

「優斗がスマホ忘れたから一本電車遅れたんでしょ!」

優「まだ駅から走れば間に合うっしょ」

「間に合うけどさ〜」

優「なんだよ〜」

「私一応女子なんだけど?」

優「ちゃは!知ってるけどさ〜
作ちゃんの自転車借りるか〜」

「作ちゃんごめんねって言っといて」

優「ってかなんでお前この学校選んだんだよ
別に早起きとか得意じゃないじゃん」


家から電車で一本とはいえ1時間半もかかる学校に進学したんだろうとは思うけど中学時代どうしても地元の知り合いがいないこの学校を選んだのは優斗がいたからだったんだよ

そうやって言えるほど可愛くない私

「制服可愛いし電車通学したかったんだもん」

優「なんだよその理由!」


優斗が朝練のない日だけ一緒に登校するのがすごく好き
たわいもない話だけど優斗とゆっくり話せる時間だから


『次は○○〜○○〜お出口は左側です』


駅の人混みに揉まれながら改札を抜けてまっすぐ行ったところに置いてある黒色の自転車のチェーンロックを迷うことなく開ける優斗
そして自転車のカゴに2人分の荷物を乗せて

優「後ろ乗ってちゃんと捕まってろよ!」

優斗の後ろから手を回して腰のあたりに抱きつくとすごい勢いで進み始める自転車

途中に見える海が視界から消えたところで自転車が止まる

優「Aが漕いで俺走るから」


学校まではあそこの角を曲がるだけだからどっちが走っても変わらないはずなのに私に自転車を譲ってくれる優斗は相当優しいと思う


2人で門を通って自転車を止めたところで遅刻を知らせるチャイムが鳴る

優「間に合っただろ?」

「走ってたら間に合わなかったわ!」

優「結果的に間に合ってるからいーの」

教室に着いたら作ちゃんにお礼を言っておこう

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作者名:Rikka | 作成日時:2021年9月2日 21時

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