顔にモブと書かれていたのだが泣くぞ？？【忍たま】 (ページ8)

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体力のなさが判明したページ8

『．．．』

いやきっっっつ。

私たちどれぐらい歩いてます？ねぇ、

ペースは崩してないし息も乱れてるのがバレないよう頑張ってるけどさ、

おいごら６年さっきからチラチラ後ろ振り返んな埋めんぞ。

『ふぅ．．．』

やばいな、ここで私の体力の無さが判明してしまった。ぴえん。

「天女様大丈夫ですか？担ぎますか？」

黙ってろ頼むからやめろイケドン。本当に頼むからやめろ構えるな。

そして息を吐いた音だけで一斉に振り返んなよ、ビビったじゃねぇかよ。

『いえ、そいう訳ではありませんので大丈夫です。ただ、』

「ただ？」

いつの間にかけっこう登っていたようで、横を向けば息を飲んでしまうほどに綺麗な大自然が広がっている。

耳をすませば聞こえる、川の音と鳥の鳴き声がとても優しかった。

『ただ、ここは本当に綺麗な所だなと。そう思っただけです。』

そう呟くように言って前を向けば、何故か固まっている6年生。

よく分からないが、やる気も出たことだし早く行きたい。

『ささっ、早く行きましょう。私のペースに合わせていただいたせいでこの調子だと日が暮れてしまいます。』

「あっ、嗚呼。分かり、ました。」

七松先輩を先頭にぞろぞろと動き出す６年。

どうでも良いけどこの人たち全員スニーカーじゃないのにすごいよね。

私まじでスニーカーでよかったわ。もうスニーカーしか愛せない。

「、？天女様？」

最後にもう一度だけ、後ろを振り返る。

この景色を眩しそうに眼を細めて見つめる。

もしかしたらもう見れないかもしれないから。

息を吸って、吐く。

たったそれだけの事なのにとても重く感じたのは、どうしてだろうか。

一瞬、思考が沈みそうになったがなんとか戻る。

そして、前を向いて重たい足を動かす。

それだけで精神的に疲れるが、彼らに遅れをとらないように若干速足で歩いた。

何故ここに来たのかは分からない。

何故彼らが天女と呼ぶのか分からない。

嫌な展開が頭によぎったが、すぐに切り替える。

きっと、その予想は当たるだろうが今はこの自然を眺めて現実逃避をしたい。

どんどん流れ行く景色を見ながら、そっと息を吐きだした。

(圧倒される大自然)