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数珠丸「七十八話です…。」 ページ40
〜ＮＯＳｉｄｅ〜
一人の少女に神は言う。
《こちらにおいで。人間は危ない。》
一人の少女に人は言う。
「こっちにこい。みんなはお前を裏切らない。」
少女は迷う。
ヒーローに裏切られ、友が裏切らなかったのも事実。
神は裏切ったことはない。
どちらを信じればよいか、少女はわからなくなる。
「私は何を信じればいい？」
神は黒い笑みを浮かべながら、少女を引き摺り落とそうとする。
人は、賢明な表情で、少女をまた人間の世界に戻そうとする。
少女は問うた。
「私はもう傷つかなくていい？」
神は言う。こちらに来れば、もう二度と傷つくことはないと。
人は言う。二度ととは言い切れないが、絶対に守ると。
少女は泣いた。
「一人はいやだ。」
神は言う。こちらにおいで。ずっと一緒だと。
人は言う。ずっとは無理でも、この寿命が尽きるまでは。
少女はどちらの手を取ればよいかわからない。
《さぁ、こちらにおいで。愛しい人の子。》
「こっちにこい。お前を守るから。」
少女はその場にしゃがみこんだ。
まだ、ちょっと待って。まだ私には決められない。
ごめんなさい。
《愛しい人の子。名前を教えておくれ。》
「言うな、言うな。戻ってこれなくなる。」
さぁ、どうすればようでしょう。
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作者名：白夜 | 作成日時：2020年2月18日 11時
