Memory of blood4

番外編：「犠牲」（バンタン新曲に病み期な僕） ページ13

シュガ視点

シェルター所長が逮捕された。彼は自ら江原道に出向く直前この隠し部屋に来て、自分がいなくても実験は続けるようにと言い残して行った。ベッドに横たわるカミルを撫でながらカイが言う
KI「こいつの千里眼はいい事も悪い事も見える……でも未来を全て見通せるわけじゃないんだ。だから不安がる」
「……所長が逮捕されてシェルターは大丈夫なのか」
KI「今のところ室長の判断で所長は長期任務に就いてる事になってる。知ってるのは俺達と一部の幹部だけだ……でもこいつが不安がってるのはそこじゃない」
カイの足に頭を預けるカミルはどこか苦しそうだ
KI「あの班はヌナも含めて信用出来る、所長の話をちゃんと聞いて助けてくれる………だからその事に関してはそんなに怖くないんだ」
「じゃぁ……」
KI「ちょっと前から予知夢を見てるらしい……そう遠くない未来でこのシェルターはかつてない危機に晒される。詳しい事は見えないらしいけど、たぶんヌナ達も巻き込まれる」
先生達……という事はホンビンもだ
KI「なぁ、今からでも実験中止にしようぜ。あの日ソウルの研究室で言った事全部撤回してやる、何なら謝るから……」
「もうその話はいい。俺は辞めない」
KI「頼むから……ッこいつを怖がらせたくない、泣かせたくないんだよ！」
泣きそうなカイの顔に眉を潜める
KI「俺達がお前が先生にした事責めたの気にしてんだろ？それなら撤回するから……」
「違う、ミジンヌナを守れなかった事を後悔してるだけでお前らは関係ない………カミルは何を見たんだ？」
「2日後の午後4時17分にお前はワクチンとウィルスを投与される」
いつの間にか起きていたカミルが身を起こす
「そして正確な時間はわからないがそう遠くない未来で……お前は死ぬ。俺が見たのはこの隠し部屋でお前の亡骸を抱いて泣き崩れるホンビンの後ろ姿だけだ。他の未来を見ようとしても不確定過ぎるのか視えなかった…………回避しようがない、実験を辞めない限りな」
「……その未来はお前が見た時点で運命なんじゃないのか」
「ある程度変更は利く、以前ホンビンの自害を止めた事もある」
「俺を嫌うお前らがそこまで、謝ってまで実験を辞めてほしい理由は何だ。他に何を見た？」
「お前は俺達の為に犠牲となるんだ！！」
悲鳴の様に叫ぶカミルに固まった
「お前は発現した能力に飲み込まれて死ぬんだ……俺達を、シェルターを守る為に！！」


既に決まった残酷な未来に俺は驚くほど冷静だった

作者より謝罪→←写真の男（訂正）

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