元猿、教祖を殴るまで。【呪術廻戦】

（16）渋いおにぎり ページ17

何とか出来上がって、席に付けば、津美紀が部屋から飛んできた。






「どうしよ、食べたいのに塾だから時間ない…！！」



『間食できるんでしょ？



おにぎりにしたし、持っていけば？』






そう言って、いつ作っていたんだか、



おにぎり状になった炒飯を、



Aちゃんが取り出した。



津美紀と料理前に楽しそうに喋っていたのもあって、



津美紀も変な気遣いをせずに済んでいるようだった。



顔を輝かせた津美紀が、



ありがと〜！！と言って走って家を出ていく。



笑って見送ったAちゃんは、



食卓に僕と恵の分だけ並べると、



キッチンに戻っていった。



いただきます、と手を合わせる恵をさておき、



Aちゃんを追い掛ける。







「Aちゃんは食べないの？」



『私は大丈夫です。



…ほら、悟さんは食べてください、最近やつれてますよ』







そう言って、食器を目の前に腕を捲ったAちゃんが、



僕に食べるように促してきた。



任務後の疲れてる顔はなるべく見せないようにしていたのに。



…一体いつ気付いたんだか。



ありがたく、恵の前に座って手を合わせた。








…家事を淡々と熟すAちゃんに甘えて、恵とくつろぐこと3時間。



帰るか、と言おうとすれば、津美紀から連絡が来た。



【五条さんもう帰るとこかな？



Aさんにもありがとうって伝えてください！】



いい子だな、と思って、



Aちゃんの名前を呼ぼうとすれば、



追加の通知が来た。



【五条さん格好良いし、どっか二人で誘ってみれば？】



…ませた子だ。



でも、確かに何処かで誘おうと思っていたのは事実で。



帰りに誘ってみよう、と思い、



恵の頭に手をおいてぽんぽんとしながら立ち上がった。

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