元猿、教祖を殴るまで。【呪術廻戦】

（12）ゴリラと教祖サマ ページ12

ついでもって、これまた施設内で迷った時に、



偶然出会ったミミナナちゃんに懐かれた。



ミミナナちゃんいわく、ロクに人の手料理を食べてないとかで、



仕方なく私は教祖サマにご飯作りましょうか、



と進み出たのだ。



教祖サマは胡散臭くて好きじゃないが、



ミミナナに非はない。



交換条件として、母である理来の生活が、



何不自由なく送れるように支援すること、



と交渉に持ちかけた。



教祖サマの答えは、もちろんイエスだった。



叔母さんが何処にいるかは知らないが、



こないだ会った時にめちゃくちゃ上機嫌だったので、



とりあえず放って置くことにした。



…母も困らない、私もミミナナに癒やされ、



叔母さんは幸せ、教祖サマと私はウィンウィン。



これ以上良い待遇がないであろうこの状況から、



なぜ私が逃げ出したか。



…それは、彼の曲がった思想を聞かされたからだった。



ただし、曲がった思想に恐れをなしたわけではない。



なんとかしないと、誰か、誰でもいいから、



この教祖を助けてくれる人を呼んでこないと。



その為に施設から、わざわざゴリラ級の男に、



教祖の言う特級呪霊と戦わせたのだ。



そこで、教祖が抱き締めてきた意味がよくわかった。



この座敷童子がちょん、と男に触れただけで、



男が燃え上がったのだ。



わぉ、思ってたんと大分違う。



そう思ったが、後ろから追ってくる教祖が普通に強すぎて、



座敷童子を背後に付かせて死ぬ気で逃げた。



それで、山中にてずっこけた私に、



手を伸ばしたのが、悟さんだった。

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