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【5】折角だし ページ5

《Aside》






「…んで、俺等が祓うのはここ」






そう言って、五条くんが指を指した。



私は、入学初日にて、夜蛾先生から任務を言い渡されていた。



五条くんと夏油くんに補佐についてもらえ、と言われて、



校内をプラプラ歩く二人をつかまえてお願いすれば、



めちゃくちゃ心地よいOKが返ってきた。



で、都内某所に3人で軽めの自己紹介をしながら歩いてくれば、



目的地にあっさりと着いた。



そこは



…うん、廃ビル、そのものだった。







『こ、ここ?』



「そう。



夜蛾先生が言うに、ここに元あった企業がブラックだったらしくてね。



呪霊の吹き溜まりになってるとかなってないとか」



『わ、私が祓うんですか?』



「そー。今回俺と傑は危険なとき以外は手出ししないから」







私は、もう既に禍々しい雰囲気を放つビルの前に立った。



後ろで、ん?という雰囲気が流れるのがわかる。



私は振り返って、2人に顔を見せた。






「入らないの?」



『入りません、ここで十分です』



「…そっか、お前、犬甘家の相伝、」



『…はい、一応ですが、犬甘家現当主ですから』






五条くんは分かったらしい。



まぁなんせ六眼が使えるらしい、そりゃそうか。



夏油くんがキョトンとして私と五条くんを見比べた。






「…すまない、私にも説明してくれないか」



『あ、そうですよね、すみません。



…私の術式は、犬甘家相伝術式の含意破壊操術です。



簡単に言えば、意思の改ざんが可能です』



「…意思の、改ざん?」



『はい、破壊も可能ですよ。



要は、私自身が廃人製造機ってわけです』



「廃人製造機…」







夏油くんは呆気にとられて動かなくなった。



おっそろしーと言う五条くん。



そうですよね、恐ろしいです、こんな力。

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作者名:まる | 作成日時:2024年1月26日 7時

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