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【11】連絡先 ページ11

「お、来た」





…いつも通り、ラストフィニッシュだ。






「A、早く座れ。始まって5分経ってる」



『すみません……』






やっちまったー…。



普通に遅れてくる五条くんよりも、毎日遅く教室に着く謎。



高専広いんだもん、仕方が無い。






「一昨日は書類バラまいて、昨日はすっ転んで、



今日はどうした」






夜蛾先生にそんな事を言われる。



そう、一昨日は教室に飛び込めば教室内に書類バラまいて、



昨日は焦ってドアのヘリに躓いて、



皆の目の前で顔面から落ちた。



恥ずかし過ぎるが、仕方無く私は後輩くんが、



と口を開いた。







『…後輩くんが、目の前で転びまして。



最初スルーしようとしたんですけど、



余りにも痛そうに転ぶので、



声を掛けたら遅れました』



「それ灰原?七海?」



『灰原くんです、』



「チッ、七海だったら面白かったのに」






そう言って舌打ちをした悟くんに一瞥をくれた夜蛾先生は、



苦笑いして私に座るよう促した。



そのまま授業を受け、50分の授業が終わると、



そそそそそ、と歩み寄ってきた五条くんが、



私の目の前に立った。






「…な、なぁ」



『?はい、』



「…あー、そのー…」







なんかモジモジして喋ろうとする五条くん。



何がしたいのか意味がわからなく、



よほど私が怪訝そうな顔をしていたんだろう、



夏油くんと硝子ちゃんが爆笑し始めた。







『…え、ご、五条くん、どうしたの、?』



「…そ、その、良ければ、



連絡先交換してほしい、みたいな…」






…顔赤らめて言うことではない気がするが。



仮にも同期に、そんなモジモジして言うことではない。



どんどん声が小さくなっていく五条くんに、



困り眉で苦笑いして、首を振った。



ショックそうに眉を寄せて、口を歪ませた五条くん。



…同期で、連絡先を持ってないっていうのも、変な話だとは思うが、



残念ながら、私はメール、といった類が好きではない。



文面上で言葉で伝え合う、というのに、



めちゃくちゃ否定を感じる。



同時に、あの人からの指令は全部メールだった。



あれに返すのが、苦痛で苦痛で仕方無かった。



手紙とか、もう一番嫌いなタイプだ。



首を振った私を見て、五条くんが駄目…?と追い打ちをかけてくる。



良いよって言いたくなるけど、



後々交換したことを後悔するのは確実。



ごめんね、と一言だけ言った。

【12】連絡先→←【10】後輩くん



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作者名:まる | 作成日時:2024年1月26日 7時

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