ミミズクさんとウサギさん 2【ハイキュー】

【59】お先真っ暗だァ ページ11

『…っあー、もういいや、光太郎、痛いの我慢して』



「え！？」







くいっと上げるタイプの蛇口をはたきあげるように上げて、



流水に光太郎の手を突っ込む。



声を漏らす光太郎に、必死に服を引っ張られた。








「痛い、！」



『そりゃそうよ、雑菌入るのとどっちがいいの、』



「ねぇもういいじゃん、！」



『もうちょっと…！』







流石に痛かったのか、光太郎の涙腺が崩壊する。



ちょうど、あらかた血も流れ終わったところで、



蛇口を下に下ろす。



そのままテイッシュで血の残りを拭いて、



傷周りの水分も取った。








「…痛い、」



『ごめんごめん、絆創膏どこ？』



「…戸棚の中、」







泣き顔のまま指をまじまじと見つめる光太郎の後頭部を叩く。







『馬鹿たれ、見てるから余計痛く感じるんだよ』



「…逸らしても痛いもんは痛いじゃん」



『一回見たらもう無理だって』






ちょっと拗ねた光太郎に思わず吹き出す。



…流石にさ。



この状況から、光太郎の脳内が、



怪我する=Aが構ってくれる、心配してくれる…俺のことだけ見てくれる



になってるなんてさ、思わないじゃん。



リスカの原因を作っちまった。



もー駄目だよ。お先真っ暗だァ

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