【50】及川徹のくせに ページ1
京治が手渡してくれたポカリにストローを刺して、
寒い、と呟く光太郎に咥えさせる。
寒いと言う割にはまぁまぁよく飲む。
3口ほど飲んで、私にポカリを返却した光太郎は、
そのまま保健室の白い布団に埋もれた。
『…ね、光太郎、及川徹と話してくるから一旦離れるよ』
「…いやだ」
『しょーがない、十分で帰ってくるから待っててよ』
渋々私の袖を離した光太郎の頭を撫でて、
そのままカーテンの外に出た。
京治に及川徹は?、と聞くと、ドアを指さされる。
ポカリを適当な場所において、ドアを開けた。
…すると、保健室の廊下側の壁に、
腕を組んでもたれ掛かった及川徹がいた。
『…いた』
「…Aちゃん、いたって何、妖怪じゃないんだから」
『そうね、妖怪に失礼だったわ、ごめん』
「うん。…ん?」
『他の梟谷の皆は?』
「一足先に、顧問の先生とホテル向かったよ。
…全く、東京は怖いね、もうインフルの時期とか」
『多分東京関係ないよ、ソレ』
季節外れのインフル。
音駒もかかってないし、うちだけだとは思うのだが。
及川徹が溜め息をつく。
少し顔を曇らせると、及川徹が口を開いた。
「大変だねー、Aちゃんもメンヘラ彼氏を持つと」
『…お、マジ?
気付く人初めて見た』
「え?ぼっくんあれ大袈裟でしょ?」
『…うん、多分そう。
熱あるのは分かるししんどいんだろうけど、
多分コートに倒れてたのは、私に来させるためかと』
「なんでメンヘラなの?」
『いや知らんがな』
そう言って溜め息を付く。
よく光太郎が倒れた流れだけでメンヘラと気付いたな。
流石は及川徹と言ったところか。
「…Aちゃんまで溜め込んだら壊れちゃうからね。
ちゃんと黒尾くんになり、赤葦くんになり相談するんだよ」
『及川徹のくせにまとも。
ありがとう』
「前半聞き捨てならないんだけど?」
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雅城(プロフ) - (^^)さん» 本当ですか…!笑笑 メンヘラ難し過ぎて死んでたので、そう言っていただけると本当に嬉しいです…!! …と、言うわけでまだメンヘラから治るには早いぜ木兎光太郎。笑笑 これからもご愛読お願いします…!!コメントありがとうございます! (4月5日 7時) (レス) id: 14d683d60f (このIDを非表示/違反報告)
(^^)(プロフ) - ねえ最高です、、、たくさん読みたい、、更新頑張ってください!!!いっぱいメンヘラにさせてください(^^)笑笑 (3月29日 3時) (レス) @page7 id: a3a2c4d69d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:莉子 | 作成日時:2024年3月16日 17時