夕暮れ沿い 3

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藤原side









驚いた。





実のお母さんがあんな事を笑いながら言えるなんて
正気じゃないと思った。








「…」









隣で必死に涙を堪えているAちゃん。




それを見てクスクス笑っているお母さん。





"異常"




家族の事を話すときに
Aちゃんがこう表現した意味がやっと分かった









きっとお母さんは…
彼女の事への愛情が間違った方に行ってしまって
それを本人も気づいてない。








藤原「俺は…そんな彼女の傷も…
そのお兄さんも、お父さんも、
もちろんお母さんも愛してます。

そのどのピースが外れても
きっと俺と彼女は出会えてなかったから
彼女の過去を俺は誇らしく思います。

そして、家族を愛してるのは彼女もおんなじで
だからこそ今彼女は…
涙を流してるんだと思います。」






さっきまで我慢していた涙は
今Aちゃんの頬をボロボロと伝っている。







藤原「嫌ってる人に何を言われたって
こんな涙は出ない。
好きだからこその涙だと俺は思います。

だからどうか…
彼女の事を理解してあげてください。
彼女と言う女性を尊重してあげてください。

…お願いします。」






そうお母さんに向かって頭をさげる。









母「…私あなたみたいな人、大っ嫌いやわ。
どうせ、この子を自分のものにしたいが為に
綺麗事言ってるだけやろ？」







こんなにも伝わって欲しいのに
何故上手く伝わらない？




現状は本当に理不尽だらけだ。









「聡さん…帰りましょう…」









そう俺の腕を引くAちゃん。









母「また逃げんの？笑」









「…逃げるよ…
大切な人をこれ以上苦しめたくないから。


…聡さん…行きましょう。」







今だ涙の途絶えない彼女の表情は
もう限界を超えていた。




彼女に"うん"と頷き







藤原「…また来ます。理解してくださるまで。」









そうお母さんに言い残し、家を出た。







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