夕暮れ沿い 3

ビンテージ ページ21

.






藤原side







藤原「お疲れ様」








「お疲れ様です。」









あれからまた少したった頃
Aちゃんとあの公園で待ち合わせしていた。







Aちゃんが座ってるベンチに俺も腰掛ける。









藤原「こうやって話すの久しぶりだね。」









「はい。ここでお別れした以来ですね。」









藤原「そうだね。
あの後俺実はすげー泣いたんだよ。本当は笑」









「意外ですね笑
聡さんそーゆうのない人だと思ってました笑」









藤原「いや、あるある！笑
もう滝の様に泣いたわ！笑」









「ふふ…私も泣きました。
でも…今となってはいい思い出です。」








そう言う彼女は優しく微笑んでいる。









「あの別れや、悲しさがなかったら
きっと今…こんなにも聡さんとの時間を
愛おしいとは思えてなかったから。」








傷さえも愛おしいと言う
彼女を抱きしめずにはいられなかった。









そうだ。








そうだよな。








傷ない事が綺麗なんじゃない。



傷さえも愛おしいと思える事が綺麗なんだ。




彼女に出会って初めて気付かされた。









藤原「NYはどうだった？」









「すごく勉強になったし色んな繋がりも出来ました。
本当に行ってよかったです。」









藤原「これからは…どうしたい？」









そう言うと背中に回される彼女の両手。









「……聡さんと一緒にいたいです。」









.

.→←.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す