夕暮れ沿い 3

相思相愛 ページ1

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藤原side






藤原「おかえり。」








奈緒「ただいま。…久しぶり」








"ちゃんと、話がしたい。"





そう奈緒から連絡があって
今日、うちに奈緒が帰ってきた。


奈緒が出て行って3週間位たっていたから
お互い少し変な感じだ。








藤原「元気だった？」






そう聞くと"うん"と答える奈緒。







奈緒「今までごめんなさい。」







藤原「何が？」








奈緒「別れてあげられなくて。」








藤原「奈緒…謝らないで。それは俺が…」









奈緒「んーん。違うの。違う…」







そう涙ぐみながら
必死に何か伝えようとしてくれてる奈緒。




聞かなきゃいけない。


きっと奈緒は今、変わろうとしてくれてる。








藤原「ん？」









奈緒「私…ずっと、浮気してた。
今日までもその人の家に行ってた。
それなのに、意地になって
聡だけが悪いように言ってごめん。

自分の思い通りにいかない事にばかり目がいって
聡の幸せを思ってあげられなかった。

ごめんなさい…」









藤原「知ってたよ。」







奈緒「え？」







藤原「他の男がいる事、知ってた。」







奈緒「何で、怒らなかったの…？」








藤原「そうさせたのは俺だと思ったから。
俺が奈緒の期待や想いに
答えてあげられなかったから。

奈緒は何も悪く無い。」









奈緒「本当…聡のそう言う優しい所…大嫌い。」









大粒の涙をボロボロ流し、
それでも俺の目をしっかりと見つめて
彼女はそう言った。









俺を好きになってくれて
信じて東京までついて来てくれたのに
"他に好きな人が出来た"
そう言われたって、受け止められなかったよな。




自分でも、最低な男だと思う。






辛かったよな。


耐えられなかったよな。






ごめんな…









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