夕暮れ沿い 2

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〜あのコンビニ事件の1週間後〜






またあのコンビニに行くと奈緒さんが居た。









奈緒「あ、こんばんは。」








「こんばんは。」







とニコッとする奈緒さんに私も笑い返す。









奈緒「これ、すごいですね。」






そう奈緒さんが手に持っているのは
私の会社が提携しているファッション雑誌。
その雑誌には
私がコーディネートした服も少し載っていた。









「ありがとうございます。」








奈緒「こんなに素敵な雑誌作る会社なら
聡じゃくてもいい人いるんじゃないですか？」







「え…？」







聞こえてたし、意味も分かった。


だけど驚きの方が強くて聞き返してしまった。








奈緒「ちょっと外歩きませんか？」







はい。といい奈緒さんについて行くと
あの公園へとたどり着き、ベンチに座る。









奈緒「前、コンビニであった後
聡と一緒にいたんですよね？」








「…はい。」








奈緒「聡の事返してください。」







そう言う奈緒さんの顔は悲しい顔でも
怒りの顔でもなくて、笑っていた。








奈緒「彼の音楽の可能性を信じて
ずっと一緒にいて、支えて来たのは私なんです。
そして、これからも彼の事信じて、愛して
変わらず支えていけるのは私だけだと思ってます。

あなたは出会って少ししか経ってないのに
何か聡を支えてあげられましたか？」









「…」









あぁ。分かった。






彼女が笑顔の理由。






そう言われると私が何も言えなくなるのを
分かってるんだ。









「…」









奈緒「お願い。私から聡を取らないで？」









そう言う奈緒さんは笑顔だけど
どこか悲しみの混じった顔だった。







そして、そのまま奈緒さんは帰っていった。





何も言えなかった。






言えるはずがなかった。






私は誰かの幸せを破壊しようとしてるのだから。









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(Pretender、長編になりますので
少しずつ出来た順に更新していきます。)

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