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ぬくもりページ10

「あれ、松潤」

「…大野くん？」

なんで

言葉にならなかったソレを気付いたように大野くんが笑った

「こっちの部屋と松潤達の部屋はバルコニーでつながってるの」

ということらしい

…なるほど
　

急に気になっている相手の登場に俺はいまだ動揺を隠せないでいる

「くしゅッ」

ふいに聞こえた音に視線を向ければ両腕で体を包むようにしている大野くんがいた

「もう寒いなぁ…」

「肌寒くなったよね、もう部屋戻る？」

気遣ったつもりでそう言ったのに

当の本人は不満そうに俺を見上げてくる

あ、上目遣い可愛い

なんて場違いなこと考えた自分に呆れていたとき

「しつれいしまーす」

え、

｢松潤、あったけぇ～｣

だんだんと寒くなってきた秋の終わり

さっき外に出るからと羽織った深い紫色の緩いカーディガン

「ちょ、大野くん！」

今彼は俺のカーディガンの中にいたりする

俺の腹に背をピッタリくっつけて

「ふふ、松潤もあったかいだろ～？」

下から見上げる形で俺に向けられる少し潤んだ瞳

ふにゃっと効果音の付きそうな笑顔を向けられれば、もうお手上げ状態だ