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部屋決めページ8

「智くんは今どの部屋をつかってるの？」

「おいら、ここ」

キレイな指が指したのは階段を上がってすぐの１人部屋

「大ちゃんはそのままでいいよね～」

「じゃあ残りはじゃんけんで決めます？」

「そうだね、特に希望もないし」

「……やだ」

「「「「…え？」」」」

この家の主である彼

もともと自分の部屋を持っているならばそのままで

そう皆が結論を出したとき彼の口から紡がれたのは否定の言葉だった

「…１人でいたくない」

ポツリと申し訳なさそうに吐かれた言葉に俺達はハッとする

両親が亡くなってそれほど日も経ってない今、大野くんを１人にしない為にこの家に越してきたというのに

「…そうだよね、じゃあ智くん俺と一緒の部屋に移動しない？」

いち早く考えを巡らせ、それを言葉にしたのは翔くんだった

あー、先越されたな…

「え、あ、…うん」

「…智くん、俺が嫌なら他の人でもいいんだよ？」

「え、いや大丈夫」

「…そう？」

１人は嫌だと言ったはずの大野くんが何故か迷った様子を見せた

大野くんの反応に翔くんは複雑そうな表情を浮かべてる

｢………｣

…気のせいかな

翔くんからの誘いを迷ったあの時、大野くんと一瞬瞳があった気がした