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二人ページ13

それぞれの部屋に入ると着替えを済ませる

｢はぁ…｣

着替えを終えて落ち着くと少しだけ肩の力が抜けた気がした

家で２人きりになることなんて滅多にないし

この間バルコニーで彼のぬくもりを知ってしまってから

自分の気持ちをハッキリと自覚してしまった

いざ自覚してしまうと気持ちはどんどん熱く膨らんでいくばかりで

隣に立てばドキドキと心臓はうるさく鳴り始める

…落ち着こう

赤い光が漏れるカーテンを開きバルコニーにでると暖かな夕日が俺を照らした

よし、ちょっと落ち着いてきたかな

「あ、やっぱりいた」

夕日を浴びながら気持ちを落ち着けていると俺の心を乱す張本人が部屋から顔を出してこちらを見ていた

ペタペタと効果音がつきそうな足取りで近寄ってくる

手には先ほどのパンの袋

「一緒に食べようと思って部屋ノックしたらいねーんだもん」

「…全然聞こえなかった」

「だからここかなって」

ハイ、と渡されて手にしたパンはまだほんのり暖かい

「大野くんもパン作ってるの？」

「んー？たまに…店長がおいらは店番のが合ってるって」

「…あぁ」

確かに大野くん目当てで通ってるお客さんもいるみたい

女の子だけに限らず…ね

「でも今まつじゅんが食べてるのはおいらが作ったやつ」

「……美味しいよ」

「ふふ、ありがと」

大野くんが作ったってだけで美味しく感じるなんて

パンを堪能しているとふいに下に見えた人影に気をとられる

「あれ？和と相葉ちゃん？」

「お、本当だ」

「今日デートって言ってたから遅くなると思ってた」

二人は玄関の所で立ち止まり鍵がないと言い合いを始めている

「あ、さっき鍵閉めたんだった」

「開けに行くか」

「あ、大丈夫。開いたみたい」

どうやら鍵が見つかったみたいで二人は玄関を開けて中に入れたよう

しばらくするとバタバタと階段を上がる音がして俺と和の部屋のドアが開いた

声を掛けようとガラス戸に手を伸ばす