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プロローグページ1

翔side

家族が大好きだった"彼"

けれど別れは突然にやってくるもので

"彼"はその日大好きな家族を失ってしまった

「…おいら、ひとりぼっちになっちゃった…」

智くんの家族が交通事故という突然の不幸があって数日

あまり外に出ようとしなかった智くんをわりと強引に連れ出し、近くのカフェで話をすることにした

席についてすぐここにくるまで一切口を開こうとしなかった智くんがポツリと

かろうじて耳に届く大きさで紡ぎだした言葉

「…智くん…」

今にもイスから崩れ落ちてしまいそうなくらい、弱っているのが目に見えてわかる

まともに食べていないのか

手を添えた手首の細さはまるで女の子のようだ

顔を覗けば目の下にはクマも見える

「…翔くんっ、ひとりぼっちはイヤだ…！」

ポロッと智くんの中の悲しみが溢れ出すように、涙となってソレは添えた俺の手に落ちてくる

"１人にしたらこの人は壊れるかもしれない"

そう思った俺の中で産まれたある決心

「ね、智くん」

「……ん」

「俺"達"が智くんの家族になる」

だから、もう１人で泣かないで

こうして俺達の新しい生活が始まったんだ