【ゲゲゲの鬼太郎】紺鼠の遺影。ニゲラの花言葉。

第三百七十三話 ページ26

「んで、ぬけ首ってなんなんだよ」

「ぬけ首っていうのはねー、ろくろ首の中で、首と胴体が分離して頭部だけが自由に飛び回る事が出来るタイプの名称！一説にはろくろ首の原型とされてて〜、ろくろがただ人を脅かすだけであるのに対して、ぬけは夜中に人間を襲ってその血を吸ったり、食い殺したりする恐ろしい妖怪なんだよー！普段は全く普通の人間と変わりなく見えるけど、人の寝静まった夜半に首が胴から抜けて、獲物を探して飛び回るのさ。人を襲って食い殺したり、血を飲むという話もあるって聞くよー。首が離れている間は体は動くことができなくて、無防備な状態にあるのー。首はちゃんと元通り体に収まって休むんだけど、夜明けまでに戻れなかった場合は体とのつながりを失って死ぬんだって。そこでぬけ首を退治するには首が抜け出るのを待って、体を隠してしまうことが最も有効な手段だとか言われてるねぇー。当然首は体を探して必死に飛び回り、状況が絶望的だとわかれば隠したものに恨みを抱いて襲い掛かってくるとかねぇ。もしこれを行うなら夜明けまで見つからないような場所に隠れておく必要があるんだよ〜」

『要約』

「夜になると首だけで徘徊して人を喰い殺す妖怪」

「一行で収まるじゃねぇかよ。何であんなに長く話す必要があったんだよ」

「語るのが俺の特技ぃ！」


どやぁっとする輪廻を見て、猫娘はため息を吐いた。


「確かにそっちもぬけ首だけど、今話してるのは違う方よ」

「んぇ、マジ？あ、あれか頭と体で体温違う方？」

「そう」

「ありゃまじか…ごめん今話したやつ全部あってないわ」

「すげぇ時間無駄にした感じ…」


てへぺろっと舌を出す輪廻を見ながらもう一度、

もう一つのぬけ首に対して聞こうとすると、ZEROくんがすごい顔をしてた。

ごめんね。気になるから聞かせて。


『もう一人のぬけ首の方は？あ、要約して教えて』

「んえぇ〜…頭は高温、体は低温の妖怪。二つが一つの時は対して危険性はないけど、
別れたまま放置してると頭の方が大きくなって最終的に爆発する」


語るのが特技なんて口にしていたくらい喋りたかったのだろう。

それでもしぶしぶ簡単に短く説明してくれるのだから素直にいいやつだ。


「んお？これ何時ぞやの痛Tuber(笑)じゃん」

『そうだ。どうせこいつのことだし余計なことし出すと思ってな』

「いいじゃんこんなゴミ、構わなくても」

『そうはいかないだろ…他の人にも被害があるかもしれないし…』

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