第三百六十七話 ページ20
「…猫娘」
ゆっくりと猫娘の陰から現れ、そっと抱き上げる。
相当怯えていたようで俺に捕まればすぐに強くしがみついてきた。
震えてしがみつく猫娘を鬼太郎に預ければ、たぬきの魂を吸収した男にむかった。
奴の中に煮え滾る欲の器を覗き見て、虫唾が走る。
道理でつまらないやつだと察したわけだ。あぁ、腹が立つ。
「復讐。憎悪。嫌悪。…今、並べた言葉が何を表すかわかるか?」
足音のない靴が、足が、ゆっくりと前へ。男へと進む。
男は何を言っているんだと言いたげに眉を歪めた。
「お前の中にある、欲の大部分だ。お前はつまんねぇことに復讐しか目がねぇ。
挙句、妖怪に対してあの態度だ。よっぽど自分の欲にお熱に見える」
見下すように顎を突き出し、男に目を合わせる。
せっかく、楽しいと思える相手が見つかったと思った矢先にこれだ。
上は、どうやら俺に楽しみを与えてくれないつもりらしい。
「だからなんだ。妖怪なんて死んだところで何も変わらないだろ」
当然のごとく、それを口にする男。
ふわりと、髪が気迫でゆるく浮かぶ。
頭に血が上って、視界が鮮明に映る。
「どうやら相当、死にてぇみたいだな」
つまらねぇ男に向けて、久々に殺意を向けた。
溢れ出す闘争心は楽しみからではない。怒りからだ。
くそ…俺もつまんねぇやつだ。
「________ようやく見つけられたかも」
月の浮かばぬ新月の夜に、一人の少女が呟いた。
優しい翡翠色の髪とガーネットのような美しい瞳を持って。
彼女は愛しの兄を探す。
___________
空白の部分にちょっとした仕掛けをしました。
なんて書いてあるか当ててみてください。
『俺の出番なくね?』
Aさんの登場は鵺さんの後です。今はZEROくんのターンなのです。
『えぇ…』
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モブ - 好きなアニメの夢系小説見れるのすごい嬉しいです!一気見しちゃいました!いくらでも待ち続けるので‥つづきを‥っっ (2月6日 16時) (レス) id: ab7894b478 (このIDを非表示/違反報告)
ユリの花(プロフ) - 更新お疲れ様です!ゲゲゲの鬼太郎は大好きなアニメの1つなので夢小説があって嬉しいです!最近はコロナなどで不安定なご時世ですがこれからも無理せずに頑張って下さい!ずっと応援しています! (2021年2月13日 13時) (レス) id: 3da8e597eb (このIDを非表示/違反報告)
くまくまたろう。(プロフ) - 初コメ失礼します。こんなに素晴らしい作品が書けるなんて……羨まし()ゴホンゴホン…素晴らしいです……こんな作品……ハマるしかないですよ……ありがとうこざいます……これからも応援してます…… (2019年12月9日 20時) (レス) id: 92750228b4 (このIDを非表示/違反報告)
とりまろ。(プロフ) - マリイさん» 私は私が書きたいものを書きたいんです。最近は別の方に脱線しているという理由もありますし、これ以上作品を増やすことはおそらくないです。ごめんなさい。 (2019年11月6日 11時) (レス) id: b13316b4f3 (このIDを非表示/違反報告)
マリイ - 5期の西洋妖怪バルモンドの小説も書いて欲しいです バルモンドは夢主を溺愛してる設定で (2019年11月1日 16時) (携帯から) (レス) id: 82a6cba0ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:とりまろ。 | 作成日時:2019年4月30日 13時