第三百六十六話 ページ19
「残念だったな。俺はただの人間じゃない」
男がそう呟けば、己の服を掴み思いっきり脱いだ。
灰色のタンクトップに鍛え抜かれた筋肉が見える。
「鬼神招来！」
男がそう叫べばその腕は風船が破裂するように膨らみ、紫と赤の毒々しい色合いの腕へと変化した。
「ふぅん…人間にしては面白いもの持ってるんだな。」
その様を聞こえない程度の声でつぶやきながら観戦する。
一度、戦ってみたいとは思ったが一瞬でその気力はなくなった。
あいつはつまんねぇやつだ。そう本能が察したからだ。
その予想は、このあと見事に当たることになる。
男は毒々しい腕を振るい、たぬきみたいな奴の顔面を強く殴る。
たぬきはそれに驚き、猫娘を離した。
回収してやりたいが正直あの男はつまらん。近寄りたくもない。
「うん？人間かと思ったら妖怪かよ。
助ける必要なんざなかったな」
男は猫娘を見るなり、まるでゴミを見るかのような目をしやがった。
いくら妖怪であろうがそれほどの目をする相手じゃねぇにも関わらず…だ。
胃の底をちりちりとライターで焼かれるような感覚が走る。
喉から何か溢れ出てきそうになるのを必死に抑えた。
「はけよ。本物の鵺はどこにいやがる？
こいつは鬼神の腕だ。お前の頭を握りつぶすくらい造作もねぇぞ！」
たぬきの顔面を毒々しい腕でつかんだまま男は聞いた。
鬼神の腕…と、呼ばれてもいまいちピンとは来ない。
というか、こいつはさっきから自分の手の内を明かしすぎなんだよな。面白くない。
いくら自分が強いからと自惚れしていても手の内は明かさない方が身のためだろう。
まぁ、俺がいうことでもないが。
「ぬぅ…！あいつは東京…だ！俺に東北で騒動を起こさせて…
そっちに目がいっているうちに都を手に入れると…！」
「陽動かよ。つまんねぇ知恵を」
それについては強く同意する。
陽動するほどの知恵があるというのなら、早く自首してほしいものだ。
どうせ、大して面白いやつでもないんだろうから。
「喋っただろ！離してくれよ！」
「駄目だ。お前にはこれから俺の力の糧になってもらう！」
呻き苦しむたぬきの腹に、男は鬼神の腕を突き刺した。
苦しむ声が、その場に響く。
＿＿＿＿＿＿＿視界が赤に染まった。
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モブ - 好きなアニメの夢系小説見れるのすごい嬉しいです！一気見しちゃいました！いくらでも待ち続けるので‥つづきを‥っっ (2月6日 16時) (
レス) id: ab7894b478 (このIDを非表示/違反報告)
ユリの花(プロフ) - 更新お疲れ様です！ゲゲゲの鬼太郎は大好きなアニメの1つなので夢小説があって嬉しいです！最近はコロナなどで不安定なご時世ですがこれからも無理せずに頑張って下さい！ずっと応援しています！ (2021年2月13日 13時) (レス) id: 3da8e597eb (このIDを非表示/違反報告)
くまくまたろう。(プロフ) - 初コメ失礼します。こんなに素晴らしい作品が書けるなんて……羨まし()ｺﾞﾎﾝｺﾞﾎﾝ…素晴らしいです……こんな作品……ハマるしかないですよ……ありがとうこざいます……これからも応援してます…… (2019年12月9日 20時) (レス) id: 92750228b4 (このIDを非表示/違反報告)
とりまろ。(プロフ) - マリイさん» 私は私が書きたいものを書きたいんです。最近は別の方に脱線しているという理由もありますし、これ以上作品を増やすことはおそらくないです。ごめんなさい。 (2019年11月6日 11時) (レス) id: b13316b4f3 (このIDを非表示/違反報告)
マリイ - 5期の西洋妖怪バルモンドの小説も書いて欲しいです バルモンドは夢主を溺愛してる設定で (2019年11月1日 16時) (携帯から) (レス) id: 82a6cba0ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とりまろ。 | 作成日時：2019年4月30日 13時
