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第三百八十話 ページ33

「!…なんで俺の名前を知ってる?」


思わず名前を叫んでしまったせいで周りの人もざわついたし、

ご本人にも警戒されてしまった。


「ちょ、まって…まってひとおおすぎるばしょかえて…しんどい」


さっきのでおもっくそ注目されたのはわかっているし、

今ここで妖怪の話を持ち出して、頭おかしい人とかって思われたくない。

何より目線が痛い。やめてほしい。ゲロ吐くかも。


「…わかった」


顔を抑えて人の目線から顔を背けてしまう俺の腕を掴んで引っ張る。

心なしか掴む力が強くて痛い気もしたけど、そこを気にする余裕が心になかった。







「ほら」

「あぁうん。ありがと…」


石動零は人がいない静かな公園までわざわざ連れてきてくれた。

本当に申し訳ないしありがたいしで、

すぐお礼を言いたいのだが、彼がじっと見てくるせいでなかなか落ち着かない。


「…ちょっと目線が強いかな〜…逸らしてくれる?」


苦笑い気味に彼を見るが、警戒してしまって、

目を離したら逃げないか?と言われてしまった。うんまぁ、仕方ないけどね。


「落ち着かないんだよ。目線が怖いからさぁ…」


ぎゅうっとお腹の前で両手を握って、動悸の激しい心臓をなんとか落ち着かせたかった。

額から冷や汗が伝う。息苦しくてつい呼吸を荒げてしまう。


「おい!大丈夫か!?」


流石にそこまであからさまにおかしいと、相手もおかしいと感じるのだろう。

痛い心臓を抑えて背を丸めると角張った男性の手が背を撫でる。

本当はすぐに事情を説明したりしないといけないのに気を使わせてしまっているな。


ゆっくり、動悸が収まるのを自分自身で確認して顔を上げる。

あげたと同時にかなり近い位置に彼の顔があって驚いたのは心にしまっておこう。


「えぇっと、君の名前を知っていることだけどね…。
あんまり…その…家系の事情でその情報網を明かすことはできないんだ。
でも君の敵ではないから安心してよ」


水夜麻家は博識で有名だ。

それは血筋から受け継ぐとある力によるものだけど、

それだけは口に出せない。黙秘するべきこと。

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モブ - 好きなアニメの夢系小説見れるのすごい嬉しいです!一気見しちゃいました!いくらでも待ち続けるので‥つづきを‥っっ (2月6日 16時) (レス) id: ab7894b478 (このIDを非表示/違反報告)
ユリの花(プロフ) - 更新お疲れ様です!ゲゲゲの鬼太郎は大好きなアニメの1つなので夢小説があって嬉しいです!最近はコロナなどで不安定なご時世ですがこれからも無理せずに頑張って下さい!ずっと応援しています! (2021年2月13日 13時) (レス) id: 3da8e597eb (このIDを非表示/違反報告)
くまくまたろう。(プロフ) - 初コメ失礼します。こんなに素晴らしい作品が書けるなんて……羨まし()ゴホンゴホン…素晴らしいです……こんな作品……ハマるしかないですよ……ありがとうこざいます……これからも応援してます…… (2019年12月9日 20時) (レス) id: 92750228b4 (このIDを非表示/違反報告)
とりまろ。(プロフ) - マリイさん» 私は私が書きたいものを書きたいんです。最近は別の方に脱線しているという理由もありますし、これ以上作品を増やすことはおそらくないです。ごめんなさい。 (2019年11月6日 11時) (レス) id: b13316b4f3 (このIDを非表示/違反報告)
マリイ - 5期の西洋妖怪バルモンドの小説も書いて欲しいです バルモンドは夢主を溺愛してる設定で (2019年11月1日 16時) (携帯から) (レス) id: 82a6cba0ff (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:とりまろ。 | 作成日時:2019年4月30日 13時

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