第三百四十一話 ページ44
全てが終わって、現実に引き戻された時、嗚咽が漏れた。
その場に蹲って、えずいた。
「…まさか」
いやだ。信じたくない。
信じたくない！信じたくない！
こんなこと俺は信じたくない！
『嘘だって、いってよぉ…っ！』
俺の先祖が…蘇芳を怪物として蘇らせた化け物で、
蘇芳の言う母様なんだって。
自分を怪物にした元凶を作った家を守るなんて蘇芳はどれだけ苦しかっただろう。
どれだけ、辛かっただろうか。
『うわあぁあぁぁぁぁああぁぁ…ッ！あぁ、あぁあぁぁぁっ！』
赤髪がぐちゃぐちゃになるほど引っ掻き回して、頭を抱えた。
ごめん。あれだけ前向きなことを言ったのに。
妖怪が死んだところでなんだって言ったばっかりだったのに。
こんなの見てしまったら、耐えられない。
「A！」
『ごめん…ごめん蘇芳！ごめんっ…何にも知らなかった…何にも知る気がなかったッ！
こんなことになって、これが真実なんだって…俺、ずっと何も知らなかった！』
口が裂けるほど開けて、大きく声を吐き出して。
目を見開いて、涙を流して。
知らなかったんだ、俺。
蘇芳のこと何一つだって。
理解しようとしたことなかったんだって。
ごめんなさい。
どうしてもこれだけは、これだけは気にしていないといけない。
どんなことがあっても忘れちゃいけない。
この話だけは、この罪だけは永遠に気づいて行かなかいけない。
『…ッ』
涙を堪えて、顔をあげれば思いっきり自分の顔面を殴った。
今はこんな風に泣き叫んでる場合じゃない。
蘇芳からちゃんと、全部聞く。
見ないふりなんてもう絶対にやりたくないから。
『…行こう鬼太郎くん。
名無しを止めなきゃいけない』
溢れた涙を拭って歯を噛み締めた。
ひりひりと痛む頬の感覚を忘れないように。
黒く蠢く液体が海から現れてくる。
これを、止めなきゃいけない。
「私も手伝う」
手に触れた暖かい温度に、後ろ髪を引かれた。
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とりまろ。(プロフ) - あんこもちさん» 鳥肌になってくれて嬉しいですわッッ！(((新章も始まりまして更新バリバリ頑張りますよ！コメントありがとうございます！ (2019年4月30日 13時) (
レス) id: ba9bcb022c (このIDを非表示/違反報告)
あんこもち - わぁぁ！凄い！全部の題名と繋がった！何か意味があるんだろうなぁ〜と思ってたけどほんとに合った！あそこ読むとき鳥肌やばかったです！鬼太郎と夢主ちゃんの恋の進展も気になる、、、。更新頑張ってください！長文失礼しました。 (2019年4月30日 8時) (レス) id: 209354e5c5 (このIDを非表示/違反報告)
とりまろ。(プロフ) - 待っていてくれてありがとうございます！不定期更新ですが完結まで頑張ろうと思います！ (2019年4月20日 20時) (レス) id: ba9bcb022c (このIDを非表示/違反報告)
みっこ - 待ってました！忙しくて更新できない時が多いかもしれませんが少しずつ更新頑張ってください！これからも応援しますっ！(・ω・)ﾉｼ (2019年4月20日 20時) (レス) id: f38aff3a8c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とりまろ。 | 作成日時：2019年3月24日 15時
