第三百三十八話 ページ41
「…先輩…？」
青い瞳が俺を映す。
ほっとして笑みを浮かべるとまなちゃんが俺の後ろにいた鬼太郎くんに目を向けた。
途端に表情が変わり起き上がって鬼太郎くんを強く睨んだ。
一体何が起こってるんだ。
現状をいまいち理解できない俺はただその場に留まることしかできない。
「許さない。貴方達妖怪のせいでお母さんは…お母さんは…！」
金色のオーラがまなちゃんのあたりに炎のように現れる。
涙を溜めた青い目は何処かで見たことがあるような顔をしていた。
あぁ、なるほど。既視感を感じたのはそういうことか。
「聞いてくれ。君の母親は生きている！」
「嘘つき！」
まなちゃんが叫べば背後から金色の弾丸が鬼太郎くんに向けて飛ばされる。
鬼太郎くんはそれは華麗に避けて、もう一度まなちゃんと向き合う。
「猫娘は確かに君の母親を傷付けた。
だけどそれは名無しの罠だったんだ！」
「嘘よ！絶対に嘘！猫姉さんがお母さんを殺したの！
そうじゃなきゃいけないの。だって…猫姉さんを消滅させたのは私だから！」
溢れる言葉と後悔の涙。
そうだ。君は確かに猫娘を消滅させたさ。
�爐世韻匹修譴�なんだっていうんだ��
『まなちゃん』
薄暗い世界に赤の少女の声が響く。
青い瞳の少女はその姿をただじっと見つめているだけだ。
ふと、赤の少女…Aが炎のごとく燃える瞳を開いた。
目の前で後悔し続ける少女、まなとは全く違う揺るぎない瞳。
その場から起き上がり、ゆっくりとまなに向けて步を進めていく。
『命はいつか消える。だからこそ尊いものだ。
今更、一つの命を君が消してしまったとしても、君のお母さんが死んだと聞かされても俺は何も思わない。
まなちゃん。俺とずっと一緒にいたなら君は知っているはずだよ。
俺が一体何人の妖怪を殺めて、どんな家系に育ったか』
重力に合わせてAの赤髪がゆらりと揺れる。
悲しそうに少し歪めた瞳のままAはまなを見つめ続ける。
君と俺は違うかもしれない。
だけど、俺だって同じことをしてそれでも妖怪を恨んだりなんかしていない。
『恨むことは不幸になってしまうから。
俺はね、まなちゃんに幸せになってほしいんだ。
君と同じ俺が幸せになったように』
冷たく冷えきってしまった手に触れる。
じんわりと感じる温度にまなは目を歪める。
苦しそうに。悲しそうに。
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とりまろ。(プロフ) - あんこもちさん» 鳥肌になってくれて嬉しいですわッッ！(((新章も始まりまして更新バリバリ頑張りますよ！コメントありがとうございます！ (2019年4月30日 13時) (
レス) id: ba9bcb022c (このIDを非表示/違反報告)
あんこもち - わぁぁ！凄い！全部の題名と繋がった！何か意味があるんだろうなぁ〜と思ってたけどほんとに合った！あそこ読むとき鳥肌やばかったです！鬼太郎と夢主ちゃんの恋の進展も気になる、、、。更新頑張ってください！長文失礼しました。 (2019年4月30日 8時) (レス) id: 209354e5c5 (このIDを非表示/違反報告)
とりまろ。(プロフ) - 待っていてくれてありがとうございます！不定期更新ですが完結まで頑張ろうと思います！ (2019年4月20日 20時) (レス) id: ba9bcb022c (このIDを非表示/違反報告)
みっこ - 待ってました！忙しくて更新できない時が多いかもしれませんが少しずつ更新頑張ってください！これからも応援しますっ！(・ω・)ﾉｼ (2019年4月20日 20時) (レス) id: f38aff3a8c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とりまろ。 | 作成日時：2019年3月24日 15時
