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第三百二十一話 ページ24

「へぇ…そんなことが起こってたのねぇ」


家に帰ればこの問題をすぐさま蘇芳に伝えた。


『迷惑この上ないよ。勝手に妖怪はいい奴だってそう思われたくはない』

「そうねぇ…私のこともあるしまた誰かが怪我するものねぇ」

『蘇芳はなんにも悪くないじゃん』

「私は貴方達一族の血筋を化け物。それ以上はないわ」

『…俺はそうは思わないもん』

「……ありがとうA」


優しい声で頭を撫でてくれる蘇芳がお母さんのように感じた。

お母さん…お母さんかぁ…あんまり覚えてないけどきっと優しかったんだろうな。

ぎゅっと手のひらを握りしめて下を向く。

大丈夫、今はすごく幸せ。

だからこれを守っていかなくちゃ。


「A〜お客さんだ」

『はーい。誰だろ…いってくるね蘇芳』

「えぇ、いってらっしゃいな」


父さんに呼ばれて玄関まで歩いていく。

依頼だったら手紙とかのはずなんだけど客人ってなんだろう。

もしかしてクラスメイト?

ううん。流石に家まで知ってる人はほとんどいないだろう。

ここは学校からすごく遠いところだもん。


「おー!ものほんじゃん!」


そこに聞きたくもなければ見たくもない奴がいて、ひくっとまゆが浮いた。

父さんは何気ない顔をしているから多分何も知らないんだろう。

あぁ、いらいらしてしまう。








「お茶を淹れてきましょうか」

『いいよ父さん。こんなやつに出すほどうちの茶は安くない』

「A。気持ちはわかるけど一応客人なんだから」

『やだ。俺はこんなやつ客人とは絶対認めない』


向かい側に座る白髪でふざけた顔面をしている男、チャラトミとかいう意味不明なやつを睨みながらそう言った。

別に間違ったことは言ってるつもりじゃないさ。

だってこいつは人様の許可もなく無断で動画を公開してる。

それは個人情報を晒していることとなんら変わりはない。

あ、謝罪できたのかな?それなら許してやってもいいけど。


「今日はー俺のチャンネルの動画で祓い屋さん達のことについて調査しようかと思ってー!」


赤く、熱い炎を纏う刃が目の前の男の顔面を掠った。

机に乗り出し、刀を構えながらぎらぎらとした目で相手を睨む。

こいつまだふざけるつもりか?


『すまない。よく聞こえなかったよ。なんて言おうとしてたのかな?』

「え…えっと祓い屋さんのことについての調査を」


机を叩く音がその場に響く。

さっきから机には罪もない打撃が入っていくな。


『なんて、言おうとしたのかな?』

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とりまろ。(プロフ) - あんこもちさん» 鳥肌になってくれて嬉しいですわッッ!(((新章も始まりまして更新バリバリ頑張りますよ!コメントありがとうございます! (2019年4月30日 13時) (レス) id: ba9bcb022c (このIDを非表示/違反報告)
あんこもち - わぁぁ!凄い!全部の題名と繋がった!何か意味があるんだろうなぁ〜と思ってたけどほんとに合った!あそこ読むとき鳥肌やばかったです!鬼太郎と夢主ちゃんの恋の進展も気になる、、、。更新頑張ってください!長文失礼しました。 (2019年4月30日 8時) (レス) id: 209354e5c5 (このIDを非表示/違反報告)
とりまろ。(プロフ) - 待っていてくれてありがとうございます!不定期更新ですが完結まで頑張ろうと思います! (2019年4月20日 20時) (レス) id: ba9bcb022c (このIDを非表示/違反報告)
みっこ - 待ってました!忙しくて更新できない時が多いかもしれませんが少しずつ更新頑張ってください!これからも応援しますっ!(・ω・)ノシ (2019年4月20日 20時) (レス) id: f38aff3a8c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:とりまろ。 | 作成日時:2019年3月24日 15時

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