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第三百七話 ページ10

「帰宅するなう〜」

『はいはい』

「あ、今適当にあしらっただろ〜?許さないからなー!」

『うるせぇ』


見慣れた廊下に夕日が差す。

一歩前を歩いて進んでいく友人の赤髪をきらきらと照らす夕日はうざったい。

そういえばあの日も確かうざったいくらいの夕日で、酷く暑かったっけ。


「わ〜、おひなさまだ!」

「もうすぐひな祭りだもんね」


そんな女子生徒の会話からようやく意識を思い出から現実へと引き戻した。

全く、この緩やかな暖かさはいつだって気分を緩くする。


『おひなさま、今年から飾るんだ…』

「ほへー…でもなんで内裏とひなだけなん?」


おひなさまの前で固まる四人の女子生徒の上から目線をひな人形に向ける。

横にいるAが不服そうに顔を歪めているから多分また何か起こるななんて思って。


「あ、先輩!輪廻さんも」

「あれまなちゃん俺は先輩じゃないの?ねぇ…。
あと誰も俺の質問は無視なの?」


他の女子三人も俺よりAに話しかける方が良い様で話しかけまくってる。

ちくしょう、これだからイケメンは嫌いなんだ。

あ、いや、Aが嫌いってわけではないようん。


「でも変ですよね。なんでお内裏様とおひなさましかいないんでしょう?」

「ねぇそれ俺がさっき聞いた」

「なんでも有名作家のものらしくてね。
生産が追いつかなくて他の人形は後から届くんだって」

「被せてくんなし」


途中参加の先生をにらみながらぶっすーと口を尖らせていれば、俺を哀れんでかAが頭撫でてくれた。

いや違うよ、そう言う意味じゃないよあほんだら。

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とりまろ。(プロフ) - あんこもちさん» 鳥肌になってくれて嬉しいですわッッ!(((新章も始まりまして更新バリバリ頑張りますよ!コメントありがとうございます! (2019年4月30日 13時) (レス) id: ba9bcb022c (このIDを非表示/違反報告)
あんこもち - わぁぁ!凄い!全部の題名と繋がった!何か意味があるんだろうなぁ〜と思ってたけどほんとに合った!あそこ読むとき鳥肌やばかったです!鬼太郎と夢主ちゃんの恋の進展も気になる、、、。更新頑張ってください!長文失礼しました。 (2019年4月30日 8時) (レス) id: 209354e5c5 (このIDを非表示/違反報告)
とりまろ。(プロフ) - 待っていてくれてありがとうございます!不定期更新ですが完結まで頑張ろうと思います! (2019年4月20日 20時) (レス) id: ba9bcb022c (このIDを非表示/違反報告)
みっこ - 待ってました!忙しくて更新できない時が多いかもしれませんが少しずつ更新頑張ってください!これからも応援しますっ!(・ω・)ノシ (2019年4月20日 20時) (レス) id: f38aff3a8c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:とりまろ。 | 作成日時:2019年3月24日 15時

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