【ゲゲゲの鬼太郎】血が溢れて、灰桜染まる蛍袋。

第三百三十五話 ページ38

「頑張りなさい。A」


真っ赤な花水木が、泣きそうな瞳でただ一人の少女の血筋を呪う。



-僕らは君の未来を、幸福を願っているからね-


青色の月見草が、祈り血を垂らす。



「本当に彼ら二人だけに行かせてしまってよかったのか？」


黄色のバイモユリが、その瞳を動かしながら血を滲ませる。



「きっとあの二人ならもう大丈夫だろうさ」


至極色の風鈴草が、指先を動かして血を止める。



「信じよう。私たちの希望の光を」


不透明な山躑躅が、前を見て血を綴る。



「やってみせるさ。あいつらならきっと」


オレンジ色の彼岸花が、にこっと笑い血を従わせる。








「せめてお前らは後悔すんなよ」


灰桜色に染まる蛍袋が、目を細め血を溢れさした。









『届くなら全部救ってやるよ。
例えそれが傲慢であっても…それが俺になるのならそれで構わない』


花の如く微笑む少女が、血を流した。







































花水木の花言葉

『あなたへの返礼
　私の想いを受けとめて』


月見草の花言葉

『打ち明けられない恋
　無言の恋、自由な心
　美人、うつろな愛、移り気な人』


バイモユリの花言葉

『威厳
　謙虚な心
　努力、才能』


風鈴草の花言葉

『誠実、感謝
　抱負、不変、貞節
　思いを告げる、後悔、おしゃべり』


山躑躅の花言葉

『燃える思い
　あいまい』


彼岸花の花言葉

『悲しい思い出
　情熱
　恐怖』


蛍袋の花言葉

『誠実、忠実、正義
　愛らしさ
　やりぬく力』





.

第三百三十六話→←第三百三十四話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す