【ゲゲゲの鬼太郎】血が垂れて、咲くのは青の月見草。

第六十六話 ページ17

「鬼太郎ー！！」




案の定 たんたん坊が

こちらに向けて走ってくる

でもAが 僕を抱きしめたまま

刀を構えた


『霊刀 -霞- 朧月
霊符 -白夢- 月華林』


札が刀に絡みつき

その刀をAはたんたん坊に向けて投げた


『-縁-』


そうAが呟くと

刀についた札が光りたんたん坊の中で爆発した

が 力が抜けたのか僕に寄りかかる


「A！」

『…ごめん 札と刀の合わせ技は
強いんだけど 体力の消費が大きくて…

それと…ありがとう 鬼太郎くん
助けに来てくれて』


そう笑った彼女の顔は

花みたいに綺麗で

思わず目をそらしてしまった









-side A-









「体に異常はなさそうじゃ
後は人間の医者に任せればよかろう」

「よかった…」


本当に良かった

特に子供の体に異常がなくて


「ごめんなさい！」


突然まなちゃんが鬼太郎くんに向けて謝った

そういえば 俺も謝ることがあったな


「鬼太郎の言う通りだった！
私 勝手に首を突っ込んで結局迷惑をかけちゃった…」

『俺も…ダメって言われたのに
まなちゃんと一緒に こんなことして ほんとごめん』


全部 言いつけを守らなかった俺達のせいだ

そのせいで 鬼太郎くん達に迷惑かけて

役に立とうって思うなら もっと 他にあったのに


「待って 謝る必要ある？
まなとAがいたから倒せたのは間違いないわよね

それに そもそも鬼太郎が遠ざけるようなこと言ったから
こんなことになったんじゃない」

「…それはわかってるよ でも…」

「はっきりせんのう
鬼太郎らしくないぞ！」


あれ 俺達が色々勝手なことしたのに

何で鬼太郎くんが責められてるんだ？


「今回は守れたからいい
だけど 次はどうなるかわからない

Aだって 前の赤銅との戦いの時
本当に死にそうになって

関わらせないほうがいいのかもって…

だから…巻き込みたくなかったんだ
こっちの世界のこと」

「…って なによ そう思ってるってことは
結局まなやAが大事だからじゃない…」

「鬼太郎も本当は
もう友達だと思ってるんじゃないのか？」

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