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第六話 ページ7

『鬼太郎かぁ…』

「A先輩…もしかして信じてます?」

『まーね 会ってみたいよなぁ
妖怪を退治する妖怪には』

「二十一世紀に妖怪なんて
いるわけないじゃないですかぁ」

『…ふふっ まなちゃんは本当に無知だね』


俺が笑うとまなちゃんは不思議な顔で見てきた

二十一世紀に妖怪がいない?

そうだったら自分達祓い屋も苦労しなかったさ


『まっ いいけどね
見えない 聞こえない 触らないってのは

時に…とてつもないほどの
防壁になって自分を守ってくれる』

「…先輩?」

『なんでもないよ ほら
そろそろ授業始まっちゃうよ 行っておいで
俺もゴミ捨てたら 追っかけるから』


まなちゃんを見送り

ゴミ箱にゴミを捨てた


と 同時に後ろに向けて思いっきり蹴りをかます

何かに当たり その何かは上空に逃げていく

逃すとでも思ってるのかね


助走をつけて飛ぶが

ギリギリで掴み損ねた

ただ姿は覚えたぞ


『次は逃がすつもりはないからな』


呟くと 服についた砂をはらった

さっきも言った通り

見えていない 触れられない 聞こえない

この三つは危険にもなり 防壁にもなる


まぁ 俺はそうではなかった

だから見えない人達が羨ましかった


昔から変なものを見て

それは俺だけにしか見えなかった


周りの人間からは腫れ物扱いされて

家族だって 必要以外 話しかけたりなんてしない

俺の家は冷めている

まともな愛情をもらって過ごしたことがない


"余計な情なんて持つな"


祖父が死に際 俺に言った言葉

余計な情を持つな?

ふざけるんじゃねぇよ

他者に何かしらの情をもって何がいけないんだ


『だから嫌いなんだ』


家のみんなも

自分のことも

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白桜姫 - 夢主の髪の色がめちゃいい (2020年1月23日 22時) (レス) id: fb346ce4d5 (このIDを非表示/違反報告)
とりまろ。(プロフ) - 碌無者さん» うーん、作ったのがかなり前なのであまり覚えてはいませんが確か、この子は死んでいるから呪っても意味はないという意味を込めてだったかと思います。作者が曖昧ですいません… (2019年8月31日 12時) (レス) id: b5b6caadd7 (このIDを非表示/違反報告)
碌無者(プロフ) - 初めまして。何故正装が死装束なのですか? 和服の合せは男女共通で、正面から見てカタカナの「ソ」になるのが正しい着方です。逆になると死んだ人に着せるものになりますので、不吉ですよ。作中で説明が成されていたら申し訳ありません。気になりましたもので。 (2019年8月30日 16時) (レス) id: 0a4b7a6801 (このIDを非表示/違反報告)
もずく。(プロフ) - レモンさん» 閲覧ありがとうございます 誤字などは私の小説では多いので指摘してくださりありがとうございました! (2018年10月4日 15時) (レス) id: 5241d6a6f8 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - はじめまして、最初から一気に途中まで読ませていただきました!!面白かったです! (2018年10月3日 16時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もずく。 | 作成日時:2018年4月5日 20時

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