第四十二話 ページ43
『危ないから逃げて！！』
刀を振り回し 森を走るAを見つけた
放つ言葉には相反し 行動は攻撃的だ
妖怪達も逃げ惑っている
砂かけババァや子泣き爺 一反もめんが止めようと近付くが
振り回す霊刀に当たれば危険なのか
近寄るに近寄れていない
「一体どうしたんだ！」
「わからんのじゃ 突然として暴れ出して
ずっと逃げろと言いながら妖怪達を切ろうとしている」
ブンブンと刀を振り回し 妖怪達を追いかけるA
目は虚ろだが 必死に喋って妖怪達を逃していた
『あぁっ！』
苦しむような声が口から溢れる
それから少しの間喋らなくなるが
また口を開いては 妖怪達に非難の声を上げる
「A！」
名前を呼び 目の前に立つが
こちらに向けて刀を振るってくる
『鬼太郎くん…！そこにいるんだね！？』
ただ こっちに気付いたのか
少しだけ攻撃の手が緩む
『もしいるのであれば聞いてくれ！
俺の体に妖怪が取り憑いた！
頑張って抵抗してるけど喋ることしかできないんだ！
目も耳も鼻も利かないし 体も動かせなくなってて…うぐっ』
また喋れなくなったのか
Aは喋らなくなって 攻撃が強くなる
「Aに取り憑いてるお前は誰だ！答えろ！」
僕がそう問うと
A…正確にはAに取り憑いた妖怪は笑った
『私はヤナギよ
邪魔をしないでもらえるかしら？』
妖艶に微笑むAに
少しクラッとした
「ヤナギじゃと！？」
「知ってるんですか？父さん」
「ヤナギは人の暗い気持ちに取り憑き
体を操ってしまう妖怪じゃ！
ずっと昔に封印されたはず！
なのになぜここにおるのじゃ！」
『あぁ それなら ねずみ男 とかいう奴に
封印を解いてもらったわ』
またねずみ男か…
あいつはいつも余計なことを
『でも 体が動かせなくて困っていたの
そしたら近くに気分の落ち込んだ可愛い子がいてね
この子の体を貰うことにしたのよ
肌も髪もとっても綺麗だし 体も若くて良く動くわ』
「体が欲しいなら解いたねずみ男に
取り憑けばよかったじゃないか」
『あんなゴミに取り憑くなんて 貴方正気？
私は綺麗好きなの こんな綺麗な子に取り憑けるなんてラッキーだわ』
袖で口元を隠し
ふふふっと笑うヤナギ
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白桜姫 - 夢主の髪の色がめちゃいい (2020年1月23日 22時) (
レス) id: fb346ce4d5 (このIDを非表示/違反報告)
とりまろ。(プロフ) - 碌無者さん» うーん、作ったのがかなり前なのであまり覚えてはいませんが確か、この子は死んでいるから呪っても意味はないという意味を込めてだったかと思います。作者が曖昧ですいません… (2019年8月31日 12時) (レス) id: b5b6caadd7 (このIDを非表示/違反報告)
碌無者(プロフ) - 初めまして。何故正装が死装束なのですか？ 和服の合せは男女共通で、正面から見てカタカナの「ソ」になるのが正しい着方です。逆になると死んだ人に着せるものになりますので、不吉ですよ。作中で説明が成されていたら申し訳ありません。気になりましたもので。 (2019年8月30日 16時) (レス) id: 0a4b7a6801 (このIDを非表示/違反報告)
もずく。(プロフ) - レモンさん» 閲覧ありがとうございます 誤字などは私の小説では多いので指摘してくださりありがとうございました！ (2018年10月4日 15時) (レス) id: 5241d6a6f8 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - はじめまして、最初から一気に途中まで読ませていただきました！！面白かったです！ (2018年10月3日 16時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もずく。 | 作成日時：2018年4月5日 20時
