【ゲゲゲの鬼太郎】途切れぬ血筋、血の色花水木。

第十九話 ページ20

「この赤い奴のおかげで
Aちゃんは助かったのじゃ」

『そうなんですか…』

「あのさ…いい加減
着物直して」

『あっはい』


着物を直すと鬼太郎くんもこっちを見た

ぺたぺたの自分の体を触るが

特に異常は見当たらない


「Aちゃん さっきのに
思い当たる節をあげてみてくれんかの」

『思い当たる節って…
俺の血筋が大体の原因だと思いますけど

俺の一族 血花一族は
代々 女だけが呪われます

最初に生まれる子供は皆 女

俺は その呪いから逃げるために
男として育てられて生きてきました


…そんな生き方したら いつのまにか
自分の性別がわからなくなりましたけど』

「代々 女だけが呪われる…」


目玉さんは多分顎辺りに手を当て

悩むポーズをとる


『そう言えば俺を刺した矢って
多分 鬼太郎くんを狙ってたんだと思うよ』

「え」

『俺が気配を感じてなきゃ
あの矢 俺じゃなくて鬼太郎くんに刺さってたと思う

ぎりぎりで俺が盾になったから
本当かどうかわかんないけど』


俺が守らなきゃ

多分 今頃刺さっていたのは鬼太郎くんだ

確証はないけどなんとなく


「なんで Aは
僕の盾なんかになったの？」

『は？』

「だって 僕らは妖怪だよ
本当ならAの敵なんだよ？」


鬼太郎くんが俺をじっと見る

そんなこと言われてもなぁ


『つい体が動いちゃったんだから
仕方ないと思わないかな』

「思わない 下手したら
君は死んでたかもしれないのに」


むむぅ…引く気は無いのですかい

とは言ってもねぇ

それ以外 なにも言えないんだよな


『君を助けたかった

それだけの理由じゃ
…ダメかな』


善良な妖怪を

この世界から消したくない


昔 先祖は善悪関係なく妖怪を殺してきた

だから俺は そうなりたくなかった

もしかしたらそれで体が動いたのかも

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