【ゲゲゲの鬼太郎】途切れぬ血筋、血の色花水木。

第四十四話 ページ45

-side なし-





「…驚いた まさか直接倒しにくるなんて」

「Aから出て行ってくれ
みんな困っているんだ」

「そうだろうなぁ…はぁ
ここは居心地が悪いわ 広く優しい空気が飛んで

Aや赤銅の他にも
私の進行を邪魔する人がいる」


赤銅は少し悲しそうな顔をして

鬼太郎はよくわからないような顔をしていた


「ほっとけばこの子の祓えの力で私は死ぬわ
ここに来て 酷く理解した

人の脆さや絆の強さを
この子に取り憑いたのは 間違いだったわね」


白い小人のようなものが

ヤナギの側から現れる

それを見て ヤナギは涙を流した


「貴方は随分とバカね…
いいえ お人好しすぎるんだわ

私は貴方の大切な人に取り憑いたのに
そんな私でさえ気遣うなんて」


白い小人はヤナギにピタリとくっつき

ヤナギの体が崩れてなくなるまでそばにいた

ヤナギは最後に小人をひと撫ですると

跡形もなく崩れていった


小人はわんわんと泣き始める

赤銅はその側に寄り添い 鬼太郎を見た


「…呼ぶまでもなかったかもしれません
でも 鬼太郎様…わからなくても良いから知っていてください」


赤銅は小人を抱きしめると

紅菊を鬼太郎に手渡した


「人はそれほど強くはない
それはもちろん…A様も

A様が何故 あれほど自分を犠牲にするのか

それはA様が



命に変えても守りたかった人を＿＿＿＿」




強い風が吹いて

青い月見草の花びらが舞っていく

赤銅の声は

聞こえなかった









赤い菊の花言葉


愛情

貴方を愛しています

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