【ゲゲゲの鬼太郎】途切れぬ血筋、血の色花水木。

第十一話 ページ12

とりあえず 庭に鬼太郎くんを下ろし

自分の腕を見てみる

黒く変色した部分はやはり治ってはいない


「あぁっ！」


鬼太郎くんが苦しみだし

手を伸ばそうとしたら

目の前で吸血木になってしまった


目玉さんが隣で

涙を流していた


「あっ！見て！」


まなちゃんが言った方に目を向ける

すると その場所には花が咲いていた


「生きとる…鬼太郎は生きとるぞ！」


その言葉でホッとして

肩の力が抜けて

その場所に座り込んだ


「先輩は大丈夫なんですか？」

『…わかんない』

「えっと…Aちゃん じゃったかな」

『目玉さん 俺は男です 後 敬称はいりません
普通に呼んでください』

「A お前さん まさかとは思うが
憑き物筋なのか？」

「えっ！？」


まなちゃんが俺のことを見る

俺は木になってしまった

鬼太郎に寄りかかりながら目玉さんを見た


『なぜ 気付いたのですか？』

「まさかとは思っていたのだ
ただお前さんの霊力が邪魔をして
よくわからんくてなぁ」

『…まぁ 正解ですよ
俺の一族には憑き物がいる

逃げるために一族は
様々なことを俺にしてきた

それでも結局
呪われてしまったけれど』

「…なぜ そうだと思うんじゃ？」

『きっと…俺も
他の人と同じように逃げられないだろうから』


目を閉じて 力を抜いた

聞こえてくるのは

夢で見たあの何かの声


『俺一度家に帰るね
正装整えたら また来るから』

「正装？」

「正装は祓い屋や陰陽師が着ると
霊力を高める効果があるのじゃ」



立ち上がると

家に向けて 足を進めていった

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