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靴を脱ぎ、部屋に入ろうと足を踏み出すと、いきなり伍代に壁に押し付けられて、そのまま唇を奪われた。
感情をぶつけるように荒々しく押し付けられる。
抵抗しようと何度も顔を背けるが、食らいつかれ逃れられない。重ねられた唇の隙間から舌が差し込まれた。
激しく動き回る舌が口内を犯していき、体中が痺れていく。
「んっ……はぁ………」
求めてくるキスについていくのに精一杯。息なんて全くできない。
苦しくて生理的な涙が頬を伝う。
唇が離れたと同時に一気に力が抜け、その場に崩れ落ちる。
立つ余裕もなくて必死に息を整えた。
「………陣内に惚れた?」
私の視線に合わせるようにして屈んだ伍代は全く息が乱れてない。
余裕な表情のままこちらを覗き込む。
覗き込んできた彼の視線は冷たい。
やっぱり誤解している……
「……告白なら断ったよ……好きとかじゃない。」
「じゃあキスしてたのは?」
「あれは、違う!向こうが勝手にしてきて避けられなくて………」
「ちょっとは気持ちがあるから避けられなかったんじゃねぇの?こないだだって言ってたじゃねぇか。陣内のこと好きになってたらどうするって。なに、もうガチで好きなわけ?」
否定してるというのに、やっぱりあの現場をみられてしまったせいで、私が好きだと勘違いしてる。
「私が好きなのは伍代だよ!」
わかってもらうにはこれしかない。もうほとんど勢い。
「………………」
私が告白すると思わなかったのか、いきなり動きが止まる。
「私がずっと好きだったのは伍代なんだよ。もう、いい加減わかってよ……」
一回言ってしまえばもう止まらない。
閉じ込めていた想いをぶつけるように同じ言葉を繰り返した。
なんて答えるだろう。
怖くて目が見れず、俯く。
「だから……んっ」
俯いた顔を上げると、言葉を遮るようにして口を塞がれた。
さっきとは違っていつもの優しいキス。
これって同じ気持ちって思っていいってこと……?
わからない。
でももう今はどっちでもいい。
後悔するかもしれない。
こんなうやむやなままじゃいけないってわかっているのに
今はただただ、彼が欲しくて
想いをぶつけるように私もキスに必死に答えた。
「もう無理だわ。我慢できねぇ。」
そういう彼に覚悟を決める。
私と視線が合うと、それを合図にゆっくりと押し倒されて、甘いキスとともにベットへと沈んでいった。
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みお(プロフ) - めちゃめちゃ面白いです!更新楽しみにしてます! (2022年6月25日 22時) (レス) @page13 id: a084972b78 (このIDを非表示/違反報告)
みゆり - こんにちは!急なんですけどなんか最近伍代くん関連の作品キスシーン多くないですか?妄想が止まらなくて読むたびにカッコいい伍代くんに半殺しにされてるんですけど…。これからも更新楽しみにしてます!頑張ってください! (2022年6月18日 13時) (レス) @page4 id: 62691ac6fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:優奈 | 作成日時:2022年5月9日 23時