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「なぁ、これじゃこのまま襲われても文句言えねぇよな?」
「………本当にごめんなさい。」
ベッドに押し倒されてしまっているこの危機的状況。
私の上に覆い被さる伍代はかなり怒っていて、こっちの話を聞いてくれる感じではない。
そもそも悪いのは私であると理解はしている。
伍代がいうにはどうやら間違えて飲んでしまったアルコールで相当やらかしてしまったらしい。
起きたときには知らないベットの上で、部屋に入ってきた明らかに機嫌の悪い伍代に捕まってしまい、今の状況。
「あ、伍代のお母さんは……」
「あの人寝てる。ちなみにこういうときはしばらく起きねぇよ。」
隙をみて起き上がろうとしたが、強い力で肩を押さえられ、またベッドの上に逆戻り。
逃げられないように怪我してない方の手で両腕をまとめられてしまい、片手なのにやっぱり男の力はやっぱり強くて全く身動きがとれない。これはかなりまずい。
「じゃあ、いい?」
「いやいや、よくない!誤解だから。」
「あんな誘い方されて、こっちは我慢したんだけど。」
「でもお願い!私も初めて飲んだから自分が酒弱いとかも思わなかったし!てかこういうことはさ、やっぱり気持ちがないとダメだと思うんだよね!お互い思いあってさ、」
「あのさ、もう黙って……」
甘い声とともに彼はゆっくりと唇を重ねた………
抵抗するも押さえつけられており、受け入れるしかなくて、
重ねた唇が一度離れたかと思えば今度は角度を変えながらまた重なりあう。
気づいたら抵抗するのも忘れ、夢中になる。
「……んっ………」
そのうち啄むようなキスへと変わり、何度も繰り返す。
慣れない口づけに必死についていくので精一杯。
こんなにキスって気持ちいいんだ……
気持ちがあるとかないとか今はどうだっていい。
もっと、もっと欲しい……
「…………気持ちがないとだめなんじゃねぇの?」
唇が離れ、試すように彼は言う。
求めてしまっていた私のことを察していたようで恥ずかしくなる。
「……本当、流されすぎなんだよ。」
その通りだ。流されたと思われるだろう。
これじゃもうただの軽い女。
「さすがに母親いるし、腕も治ってねぇから悪いけどここまで。」
そう言って彼は部屋を出ていってしまい、一人ベッドに取り残された。
唇に余韻を残されたまま、私はまた彼に翻弄されている。
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みお(プロフ) - めちゃめちゃ面白いです!更新楽しみにしてます! (2022年6月25日 22時) (レス) @page13 id: a084972b78 (このIDを非表示/違反報告)
みゆり - こんにちは!急なんですけどなんか最近伍代くん関連の作品キスシーン多くないですか?妄想が止まらなくて読むたびにカッコいい伍代くんに半殺しにされてるんですけど…。これからも更新楽しみにしてます!頑張ってください! (2022年6月18日 13時) (レス) @page4 id: 62691ac6fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:優奈 | 作成日時:2022年5月9日 23時