…38 ページ38
…
伍代は先に帰ると言った私が気になってあとを追いかけてきたらしい。ヒロの指を折ったやつの連中だとすぐに察した伍代は片っ端から殴り飛ばしていく。
「言っとくけど、私は頼まれただけだし。」
伍代が倒していく様子をみた女はさっきの勢いは消えていて、顔は青ざめていた。
「………へぇ。」
「指折ったとか言ってたけど、ほとんどこいつらだし。」
「………で？だからなに？あんただってやってるのみてたならそれは同罪。こいつらと一緒。さっきも散々言ってくれたし、本当はあんたのこと殴り飛ばしたい気持ちだけど、今謝って二度としないって誓ってくれればさすがに女の子だし、痛いことしないけど。」
彼女の腕を掴み、逃げないように力を込める。
「………あーもう！わかった！ごめんなさい！もうしないんで！！」
悔しそうに言い放った彼女の腕を解放すると、慌てて立ち去っていった。
「かっけー！！」
声のする方に振り返ると伍代の横にいつのまにか大丸がいた。
「なんで、大丸がいるの？」
「ヒロからあのときのやつら見つけたって連絡があってよ。やり返してやろうと思ったらおまえら二人先にいるから出る幕なくてな！」
「つーかいつまで隠れてんだよ。こそこそしてんじゃねぇよ。」
影から現れたのは剛だった。
「バレたか。」
「おせっかいやろうが。」
「いや、大丸バカだからまた騙されてんじゃねぇかと思ってよ。」
剛は大丸を追っかけてきたらしい。
「バカって断言すんなよ。」
「なんかこう騙されそな顔してんだよな。あんぽんたんつーかとんちんかつんつーか、すっとこどっこいつーか」
「そりゃ言い過ぎだろ。」
「あは！あははは！！」
剛の言葉がツボに入ったらしい伍代の笑い声が響き渡る。
普段滅多に笑わない伍代の笑顔が珍しくて、剛と顔を見合わせてつられてこっちまで笑顔になる。
「伍代！おい、てめー！笑いすぎなんだよ！」
なかなか笑いが止まらない伍代に慌てる大丸がおかしくて、私と剛も笑ってしまい、しばらく笑いが止まらなくなっていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 291人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みお(プロフ) - めちゃめちゃ面白いです！更新楽しみにしてます！ (2022年6月25日 22時) (
レス) @page13 id: a084972b78 (このIDを非表示/違反報告)
みゆり - こんにちは！急なんですけどなんか最近伍代くん関連の作品キスシーン多くないですか？妄想が止まらなくて読むたびにカッコいい伍代くんに半殺しにされてるんですけど…。これからも更新楽しみにしてます！頑張ってください！ (2022年6月18日 13時) (レス) @page4 id: 62691ac6fc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：優奈 | 作成日時：2022年5月9日 23時
